見出し画像

【経営理念×SDGs目標】両輪経営での成果

こんにちは。
先日、IWC(International Wine Challenge )SAKE部門
のメダル受賞酒が発表され

弊社の『竹葉 生酛純米 奥能登』が、純米酒部門にてGOLDを受賞致しました!※おそらく能登地域初の受賞かと思います。

そして、先日発表されたのですが
GOLDより更に上位である【リージョナルトロフィー】を受賞致しました!

弊社は数年間をかけ、経営理念とSDGs目標を軸に様々な改革を推進してきました。
その一つ一つの積み重ねが、この度の大変光栄な受賞に繋がったと思っております。

本日はこの受賞を受けて感じたことを書きたいと思います。

<目次>
・IWCとは?
・受賞したお酒と背景にあるストーリー
・この受賞がもたらすもの

<IWCとは?>
そもそもIWCとは何か?ご存知の方もそうでない方もいらっしゃると思いますので、冒頭でご説明させて頂きます。

IWCとは毎年ロンドンで行われる世界最大規模のワイン品評会で、
"世界でもっとも大きな影響力をもつ"といわれるワインのコンテストです。

2007年に「SAKE部門」が誕生して以来
SAKE部門の受賞酒は国内外で注目されており、IWCへの関心や価値は年々高まってきています。

今年は1401銘柄の応募があり、88銘柄がGOLDを受賞しました。
GOLD受賞率は6%という狭き門です。

2020年のSAKE部門は
「普通酒(3)」「純米酒(15)」「純米吟醸酒(16)」
「純米大吟醸酒(26)」「本醸造酒(3)」「吟醸酒(3)」
「大吟醸酒(14)」「スパークリング(3)」「古酒(5)」
の9カテゴリーで審査が行われました。
※()内は、GOLDの受賞銘柄数


<受賞したお酒と背景にあるストーリー>
今回弊社で受賞させて頂いたのは、下記の商品です。

画像1

商品名:竹葉 生酛純米 奥能登
原材料:能登産五百万石(契約農家:ゆめうらら)
精米歩合:70%
仕込み:生酛造り
酵母:Misaki酵母

「米・水・酵母」全て能登の資源で醸した正真正銘能登の地酒で
弊社が掲げる【「醸しのものづくり」で、能登の魅力を高める。】という
使命を体現した商品です。


ここからは、さらに「米・水・酵母」それぞれのストーリーや背景をご紹介させて頂きます。

〜米〜
お米は、今や弊社を語る上では欠かせない存在である契約栽培農家「株式会社ゆめうらら」様の能登産五百万石を使用しました。
農家さんとの関係性を強めれば強めるほど、「精米歩合(お米を磨く割合)を少なくしたい」と想うようになり、今回のお酒は70%精米と出来る限りお米の旨味が残るような精米を選んでおります。
ゆめうらら様と契約栽培を開始したのは7年前です。
高校の同級生であった裏社長が農業分野で独立され、会いにきてくれたことから始まりました。
お会いし想いを共有する中で、始めて栽培をお願いした品種が五百万石です。
我々の連携が始まった始まりの品種で受賞できたことが、よりいっそう嬉しいです!

画像2



〜水〜
仕込み水は、柳田村の山の湧水をタンクローリーで、運んできて、濾過して使用しております。
全国的にもトップクラスの超軟水で、先代の時代にこちらの水に切り替え、以来お酒の評判がより高まったと聞いている水です。
切り替え当時弊社で杜氏を勤めて頂いていた方が夏場に山仕事する際の飲み水だったそうで、水質検査の結果お酒造りに適していたため使用を開始したと聞いています。
子供の頃に蔵へ行くと、よく笑顔でひねりもち(蒸米をこねて作ったもち状のもの)を作って食べさせてくださった思い出があります。
僕はこのひねりもちが大好きでした!

多くの先人たちのおかげで、今のお酒造りが出来ていることを改めて実感します。

画像3



〜酵母〜
「Misaki酵母」は能登の海岸に打ち上げられた海藻から採取した酵母です。
現時点では全国でも弊社しか使用しておらず、十数年前に先代が大学と連携したことがきっかけとなりました。
先代の時代に試験醸造を数回したと聞いていますが、僕が代表になってからは、醸造を行っておらず、熟成の経過観察を行っていました。

それが、3年前に責任醸造制度の企画で醸造責任者による限定醸造でこの酵母を活用した結果、しぼったお酒がとてもおいしく、個性を感じたためMisaki酵母の活用を本格的に始めました!
責任醸造制度

若手のチャレンジ精神が起点となり仕込んだ限定醸造酒が基となった商品での受賞も、弊社らしい受賞だと感じています。

画像4


<この受賞がもたらすもの>
前述させて頂いたとおり、IWCは世界で最も影響力があると言われており、実際に僕もそのような認識でおります。

今まで、全国新酒鑑評会・北陸国税局新酒鑑評会・ワイングラスでおいしい日本酒アワード・全国燗酒コンテスト・Kura Masterなど業界内の様々なアワードにて、最高金賞・金賞・優等賞などを受賞させて頂きました。
それらに加えて今回のIWCでのGOLD受賞を機に、今まで取り組んできた様々なことが少しでも皆様に理解して頂きやすいようになればと思っています。

具体的には、下記のような醸造体制づくりに取り組んできました。

①使用する原材料の能登産化
②季節雇用の技術集団による酒造りから若手正社員メインの酒造りへ
③早朝・泊り込み仕事が当たり前の従来の労働環境からの脱却

画像5

もちろんどのような醸造体制が良い悪いという話ではなく、酒造りの多様性や選択肢の一つとして、弊社のような醸造体制も認知して頂きやすくなればと思います。

このような醸造体制への移行背景には、我々が掲げている経営理念やSDGs目標があります。

画像6

画像7

醸造体制を変更していく過程で、外部から賛否両論様々なお声を頂戴しましたが、目指す方向性をぶらさずに取り組んできました。

これらのことに共に取り組んでくれる社員さんや農家さん、関係者の皆様に改めて深く感謝致します。

そして、能登産のお米づくりの切り口を作り、能登産の酵母の開発に着手してくれた先代である今は亡き父に深く感謝したいと思います。

願わくば、父にこのお酒を一口でも飲んで欲しかったと思いますが、きっと喜んでくれていると思います。

今期の酒造りも社員一丸となり、昨年よりおいしいと言っていただけるようなお酒を醸したいと思います。

本当に嬉しい!!

いいなと思ったら応援しよう!

数馬嘉一郎|5代目 蔵元
最後までお読みいただき、誠に有難うございます!始めたばかりで、不慣れなことが多いですが「スキ」ボタンを押していただけると励みになります!