山小屋の女将になる妄想
ベッドの中で妄想をしながら寝るのが好きだ。子どもの頃、ほとんど毎晩、同じ妄想をしていた。
二段ベッドで、自分は下のベッドに寝ていた。薄いシーツをカーテンのようにかけて、真っ暗にした。それから布団を被った。富士山の山小屋の食堂で働く”女将”の妄想をした。何合目か分からないけど、登山客がやっとの思いで辿り着く場所だから、山頂付近なのかもしれない(実際に富士山に山小屋があるのか分からない)。とにかく彼らは息を切らしながらやってくる。自分は白のエプロンをかけて笑顔で迎え入れる。よくきたね。頑張ったね。今夜は冷えるよ。明日は晴れるよ。よかったね。それからカレーと豚汁を出す。
忙しいけど、登山客の顔を見ると頑張れる。登山客も自分の笑顔で少しでも疲れが取れたら良い。
今は、7000兆円もらった妄想をしている。
絶対使いきれないけど無限円とかにしたらつまらないからこの設定にしてる。
最初はウキウキでマンションを買ったり専属のシェフを雇ったりする妄想をするが、だんだんとやることがなくなり最後はすごい闇ルートから大金を積んで入手したとてつもないヤクを大量に打つか、飲むか、舐めるか、して、捕まるか、自殺する。結末がハッピーエンドじゃないけど、スッと眠りにつける。
昨晩はこの妄想をしなかったが、もしかしたら今夜はするかもしれない。
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