会わせたくない
私は語学学校に通い始めた。
”学校”から卒業してかなりの時間が経っていたから、学校はとても新鮮で色んな国から来た留学生と交流するのは楽しく、仕事からも解放され私は学生生活を満喫していた。
クラスメイトは皆んな仲が良く、授業が終わるとカフェに行ったり買い物に行ったり、バーベキューをしたり海に行ったりと毎日がとても忙しく楽しかった。
そんなある日、またクラスメイトと夕食を食べにレストランに行く約束があることを彼に話したら、彼も一緒に行きたいと言った。
私はこの時、正直嫌だと思った。
なぜかと聞かれれば一言で正確に表す言葉が出てこなかったのだけど、
私はクラスメイトに彼を会わせたくなかった。
私は彼を私の世界に入れたくないような、彼とは全く別の世界を私も持っておきたいような、そんな感じがしたのだ。
私は彼に、ボーイフレンドやガールフレンドや、結婚しているクラスメイトもいたけど誰も連れてきたことがなかったと言うことを言い訳にして答えを濁した。
けれど本当の理由はそれではない。
もし、クラスメイトが彼氏や彼女を連れてきても私はなんとも思わないし、彼らが連れてきてもいいか?と聞いたとしても、いいよと言う。
そしてクラスメイトも私が連れてきていいかと聞けば、皆いいよと言うし、歓迎してくれることも分かっていた。
でも私が嫌だったのだ。
今なら思う。
あの時点で自分にしっかり向き合うべきだった。
なぜ嫌だったのか?
みんなに自慢したいほどの彼氏なのに、どうして嫌なのか?
その答えは、私の親友に彼を会わせたことではっきりとするのだった。
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