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20歳から、私の人生だ

やっと自分の人生を始められる。
もう求められることじゃなくて、やりたいことをしていい。

自分のことを悲劇のヒロインとして扱ってきたのだと思う。
その方がかっこいいように思えてたのかな。何か都合がよかったのだろう。
でも近い状況にはいたと思う。

母親しかいない私はきっと1人前ではなく0.1~0.2ぐらい足りてない状況で社会に出たのだろう。フルタイムで働く母に甘えることができた記憶がない。べったりしてたけど、いくら一緒にいても埋まることのなかった寂しさや愛情。それを勉強や大人っぽい自分を作ることで埋めた。
それもできなければ私の母が悪く言われてしまうから、せめて母も学校の先生も見るような成績や性格は問題ないように取り繕ってきた。

弟の遊び相手は自分しかいないと思った。カードゲームで負けてあげたり、おやつは大きい方をあげるどころか全てあげるぐらいのことをしてた。

父が来たけど母の大変さは変わらなかったし、父のせいで弟がもっと怒られるようになった。嫌だった。唯一の私の仲間である弟が私と比較されて怒られているのが。あいつなりに頑張っているのに。過労死レベルで働いているのも知っていたけど、そこで欲に負けて自己管理できずに睡眠時間を削ってまでゲームして食事もなあなあにする父を見て、私は部分的に反面教師にしてきた。おかげで自己管理や身体の大切さを人よりも知ることになった。

でも今は違う。ずっと「今」というものを直視していなかった。
親は2人いる、弟も自分らしく生きている。まだ虐げられてるけど。
これからもずっと一緒にいたいと思える親友がいる。仲間からもらった温かいメッセージも、きちんと評価してくれる大人も、「幸せになりな」と言ってくれる先輩も。

自分がしたいことが少しずつ見えてきた。今まで自分の人生を歩んでこれなかった分、自分にいい景色を見せて、いい人と会わせてあげて、いいものを食べさせて、いい服を着て、面白いものを見て笑わせて、作品や芸術から感情に触れて涙したい。

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