アラビアータのシミは薄まる~初恋の悪魔~
今私ははまっているものがいくつかあります。
その一つがドラマ『初恋の悪魔』です。
脚本家坂元裕二さんが描く愛しいキャラクターとセリフの大ファンである私にとって、ベスト10にはいること間違いなしの作品です!
(ベスト10って多いでしょうか?とにかくお気に入りなんです!)
毎週録画をして一語一句取りこぼさないように楽しんでいるのですが、
既に何度も再生しているのが第6話。
見えない気持ちに名前を付けてくれたような
そんな日が差すような言葉があふれたお話でした。
特にお気に入りのシーンは序盤の
林遣都さん演じる鹿浜鈴之介さんが、松岡茉優さん演じる摘木星砂さんに
中学生時代に受けたいじめについて打ち明けているところです。
鈴之助さんがいじめてきた友人に何も言い返せなかったこと
「昔のことだ」と言ったことに
摘木星砂さんが代わりに怒ってくれたシーンでした。
このシーンを見た時
私の心はぎゅっと小さくなり、涙があふれてきました。
言葉が好きな私ですが、その分言葉に傷つきやすくもあります。
良い言葉だけ覚えていられればいいものの、
キレイな洋服よりもこびり付いたシミが目を引きます。
より濃く残っているシミは前職での同僚の言葉。
年上だけど部下という難しい関係のあの人に言われた言葉は
まるでアラビアータのソースのように
ピリッと辛い唐辛子が入っていました。
1度跳ねたソースは油分と共に私に何年もシミついています。
ただこのシーンを見た時に
星砂さんが代わりに怒り、鹿浜さんのシミが消えたように
私のシミも少し薄くなったような気がしたのです。
言葉に敏感で弱い私、と思っていたところを
「ただのシミだよ」と教えてくれたからでしょうか。
消せばいいんだ、と簡単な事なのに気づかされたのです。
キズは時間が経つにつれて治っていきます。
けれどシミは時間の経過により濃くなることもあります。
でもシミ取りはいつだってできる。
優秀な洗剤はいっぱいあるので自分で少しずつ消していってもいいし
誰かに落としてもらっても良いし
漂白剤を使って真っ白にリセットしたっていい。
解決策は想像以上にあり、それは時間の経過によって発見できる。
人生の時間って不思議ですね。
シミがあるからこそ響く言葉もある。
シミがあるからこそ共感できることもある。
考えようによっては人生全てに意味がありますよね。
だから今日も私は
アラビアータのシミを恐れずに
でもエプロンはつけて上手に食べようと思います。
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