【SNSマーケ×広報】企業アカウント"中の人"カテゴリーを分類してみた
こんにちは、プロ企業アカウントの中の人です!言いたいだけ!
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こちらのnoteは書いてる途中に悪阻シーズンに陥ったため、出来高60%です。
60%だけど、出すことが大事なんや…と言い聞かせながら出します(まさかり怖い)
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まだ学生だった2011年頃からこれまで、"企業SNSアカウントの中の人"を累計100アカウント近くやってきました。(一社だけでアカウント10個とかあったりするけどね!)
初めての中の人体験は、学生時代にお世話になっていたスタートアップでのインターン。当時日本へ届いたばかりの概念だった"コミュニティーマネージャー"という役割を与えられて、Facebookページの運用から始まりました。
それから約10年。(え、こっわ)
もし炎上回数をマッピングしたら大島てるのごとき、踏み抜いた地雷も数知れず……。もうここ4年ほどは、どうにもならん炎上等はなく、心穏やかに仕事をしています。
今回は企業アカウントに焦点を当て、広く一般向けに企業アカウントがどういう意図や目的、事情で運営しているのか、私のいち体験をできるだけ簡単に書き残すことを目的にnoteを書いてみます!
*このnoteはこんな人におすすめ
・これからSNS運用したい人
・SNSマーケティング初心者
・WEB業界に関係ないけど、企業アカの中の人の意図を知りたい人
※連休で温泉&ビールにしけこんだ勢いで書いてるので、後から「あ、あれ抜けてるわ」が多発する可能性をここに残しておきます。湯けむりの庄は最高だ。
企業アカウントには運用目的が絶対にある
どんな企業アカウントにも、何かしらの目的があります。その目的のほとんどが、企業やサービスの"広報"。「いやいや、うちなんて皆やってるからやってみただけだし…」って運用者もいそうですが、それも「流行にのる目的」だと思います。
企業アカウントには必ず目的があるはずなのすが、その目的が"目標"まで落としこめているか、"目標数値"に対して運用者のKPIやノルマがあるかは、その企業のSNS信頼度・理解度によってグラデーションがあります。
(余談ですが、SNSマーケの仕事の1つは、目的に対し最適な目標をご提案することも含まれています。)
アカウント創設の目的や理由はそれぞれあるとして、企業アカウントはだいたい以下の3つに大別できます。
【企業アカの目的①】ブランディング・イメージ戦略
自社製品を届けたい層が手を伸ばしたくなるよう、イメージづくりや期待されるような投稿、自社そのもののコンテンツ(社内文化等アピールできる特異点)によって、ブランドを構築します。
【企業アカの目的②】認知獲得
無作為にどこかの誰かへ質問しても「◯◯といえば××(自社サービス)」と答えられるほど、広く知られることを目指します。普通のツイート(オーガニックツイート)以外に、プロモーションツイート等を打つことも選択肢に入ります。
【企業アカの目的③】サービスに関連した数値を伸ばす
提供するサービスに関係する数値を伸ばしたい、という意図です。例えば、自社メディアへの流入数(PV)や、PR案件にのせるために必要なフォロワー数などなど。サービスの数ほど、最適な伸ばしたいSNS数値は異なります。
(こぼれ話)ここがツライよ企業アカ!~目標がない~
数字を大切にする企業は、何かしらの目標数値があります。
一方、数値や効果分析に興味のない企業やアカウントも少なくない数あります(oh…)。中の人として意外と大変なのはこちらのタイプ。結論から言うと「運用目標が宙ぶらりんになりやすく、運用担当者が社内で大事にされず辛い」というところです。
"宙ぶらりん"状態な企業アカは、定常運用がお金に直結しないことがほとんどです。例えば、飲食店のアカウントであればメニュー内容やその日のランチ写真をツイートしても、一体何人がTwitterを見て訪問したのか定量化するのは難しく、効果が可視化されません。そのため、社内でもSNSを重要視されてない実態があったり(フォロワー数を伸ばしても、昇級等はないetc)と、心理的に辛い。まじで辛い。
本当に「ただツイッタランド楽しい」「みんなとコミュニケーション楽しい」、という感情だけで運用者が頑張ってるケースが多いです。(そして、運用の効果は可視化されなかったけど実力も意欲もある運用者は、そのうち退職してしまう…)
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それでは「"中の人"のツイート内容はどう決まっていくのか」。まずツイート内容の方向性を決めます。方向性は、提供している元サービスと運用目的を軸に考えますが、ある程度は業種によって自ずと決まります。先に、投稿している内容軸でみる、アカウントの種類をご紹介します。
【SNSアカの種類①】タレントアカウント(有名人)
いわゆる「有名人」「芸能人」アカウントの他、「ペコッター」「シャープさん」等、キャラが強いアカウント。"そのアカウント自体(中の人やキャラ)"にファンがつきます。
*目標*
タレントアカウントの目標(明確に目標にしてない場合もある)は、ファンや潜在ファンとのコミュニケーションです。SNSマーケ的にいうと、定量目標の文脈では「ファンとのエンゲージメントを高めます」だし、定性目標文脈では「熱量の高いファンをつくります」です。
*ツイート内容例*
性格や思考・口調・具体的な人相等をだしてツイート文章に人格を形成し、コミュニケーションを活発に行います。そうして熱量の高いファンを獲得し、目的に応じてイメージの構築等を行います。…とビジネスっぽく言いましたが、いわゆるネタツイートや日記的な記録がメイン。
【SNSアカの種類②】情報提供型アカウント(メディア)
為になる情報を発信するアカウント。WEBメディア等の媒体は、ほぼこれに当てはまります。昨今は、個人アカウントでも消費者視点にたった情報提供を行うアカウントが多く、人気です。
たとえば、コスメアカ・映画アカ等。(余談ですが、グロース趣味をかねて映画アカをやってみたら6ヶ月で1万フォロワーに達しました。今一番グロースしやすいカテゴリーかもしれません。ちなみにアニメアカは惨敗。)
*目標*
投稿する情報の質と量、定期的にポストできているか。また、他情報提供アカウントと発信方法や内容を差別化できているか、届けたい層のニーズにそった内容になっているか等。
*ツイート内容例*
「猿でもわかる◯◯」「新作紹介」etc
【SNSアカの種類③】お知らせアカウント(自社サービスPR)
3つめは、「お知らせアカウント」。これが皆さんが第一にイメージするような企業アカウントの種類かもしれません。
自社製品やサービスPRが多く、飲食店ならメニューや料理、ホテルなどの施設、アプリサービス等、業界を問わずに多いカテゴリです。多くの企業アカウントは、まずここを起点に創設されることが多いです。(そして、自社PRだけじゃ二進も三進もいかないことを悟り、他手段を選ぶようになる…)
*目標*
CTR(URL遷移数・likeやRT数)
実は、目標が宙ぶらりんになりがちなのがこの種類のアカウントです。もちろんめちゃくちゃ例外はあります。
「とにかく新規情報を置いておきたい」「お問い合わせ窓口機能をもたせたい」「とりあえずフォロワー欲しい」という理由でアカウント開設している背景が多く、存在することが価値であり、目標はなんとなくフォロワー数?になっていませんか?(突然の問いかけ)
この宙ぶらりん状態は、正直もったいない!!!そして、前述したように「担当者の辛いポイント」にもなる可能性があるので、こちらのnoteの最後にご提案を置いておきます。
*ツイート内容例*
「弊社が◯◯TVでご紹介いただきました!」
「アプリをアップデートしました」
「今月のチーズケーキ」
SNSアカ種類の掛け算で考えるべし(アカウント例)
星の数ほど存在する企業アカウント。SNS上ではどういう立ち位置を狙うか、が重要になってきます。ご紹介したSNSアカウントの種類や方向性を組み合わせるタイプのアカウントも多いです。
企業アカウントの例
■シャープさん
[①タレント×②お知らせ]
人間味のある企業アカの代表「シャープさん」は、中の人の論調を活かしつつ、自社製品PRを差し込んでいます。いまや82万フォロワーと超大規模アカウントになり、天気の話題等万人に届けても問題ない内容を訴求しているようですね。
■「坊主さん」
[①タレント×②情報提供]
何かのテーマに対してフォロワーからボケを集める"大喜利アカウント"。タレント×メディア的な側面がある等、種類を組み合わせて活用しています。
■mirrativ
[①お知らせ×②タレント]
ゲーム配信プラットフォームのmirrativさんのSNSアカウントは、コミュニティー運営の側面が強い特徴があります。シャープさんは今やタレントツイートの側面やイメージが強くありますが、mirrativさんはお知らせを軸に、サブとしてタレント的な側面をもっています。(追記:久しぶりにちゃんとTwitterみたらそうでもないかも?この立ち位置は、アカウントのフェーズや主サービスによって変化していきます。)
(こぼれ話②)ここがツライよ企業アカ!~批判の的は自分?
SNS運用者は、どうしても炎上の火種になりやすく、矢面に立たざるを得ないポジションです。アカウントが育つほどに"厳しいお言葉"を受けやすくなり、炎上(ボヤ)は、SNS運用者にとってある程度避けられない人生イベント……嫌すぎる……。
これまで多くの運用者さんと仕事をしましたが、企業アカウントの人格と、自分の人格がごちゃ混ぜになってしまう人が少なくありません。そんな人は、アカウントへの辛口リプを「自分に向けられた言葉」として捉えてしまいますが、そういったリアクションはあくまでも自分の人格ではなう企業アカウントの人格であると、切り分ける必要があります。ちなみにこの傾向が顕著なのが、タレントタイプであったりファンコミュニケーション目的の企業アカウントです。
厳しい言葉を受ける機会があるのは、SNSに関わらずどんな仕事でもそうだと思いますが、下記の点からより自己との切り分けが困難になってしまうことが多いようです。当てはまる現SNS担当者の方は、環境を見直してもよいかもしれません。
①SNS自体が運用者の仕事のオンオフ関わらず利用する身近さ
②担当者が1人(SNSチーム等になっておらず相談者が少ない)
③火種が燃え広がりやすい(ネガティブの連鎖が起きやすい)
もちろん、企業アカウントでも人間味のある投稿は大事(目的によります)。自分の趣向や性格が自然とツイートに入り込むものだし、その結果共感の連鎖を呼びバズって認知が広がる、ということも多いにあります。発信内容は社内で共有した目的や手段の元、自分の主観を込めて投稿をつくり、ネガティブなリアクションが来てしまったら自分を責めずに手段を変える……という切り替えがヘルシーなSNS運用につながります。
ここで終わってもいいかな…
書き初めは2000字程度でサクッと書こう思ってたはずが、もう5000字までに……。
これから運用する方へ
なんとなく「企業アカウント」基本のきをイメージしていただければ本望です!
企業アカとよくツイッターで遊ぶ方へ
あなたのlikeやリプは、あなたが思ってる以上にめちゃくちゃ喜んでると思うので是非どんどんお願いします!
端折った説明も多いのでチンプンカンプンだった!という方は、個人的にリプなどいただけるとありがたいです!