見出し画像

「自分には関係ないから」と、同性婚に賛成する人たち

この間、大阪地裁が下した同性婚に関する判決でSNSが炎上していた。世の中のニュースに人々が関心を持つのは良いことだと思う。
ただ、ツイートや動画を見ていると「自分と関係がないから」差別的な法律は是正すべき、とする意見が多く見られて、私はそれに憤りを感じている。

自分とは関係がないから、といって、何かを賛成することは“無関心”なのと同じではないのか。

私は高校生の時、交際していた恋人に「実はゲイなんだ」と言われて振られた。周りの目を気にして私(女性)と交際してみたけれど、やっぱり難しかったそうだ。

上野の裏道にはゲイの方々の発展場のあるエリアがあり、その近くの店でバイトしていた頃、割と多くの方が表面上異性と婚姻し、子どもを持っていた。
もちろん世代や思想や、その方々の家庭の問題もあるので「全員が全員、自分をある種偽って異性と婚姻している」とは言わない。

ただ、私にとって同性婚の問題は「関係ない」ではない。関係あるし、なにより、「関係ないから賛成」するのは「関係ないから否定する」のとはぼ同義だと思う。
不用意に賛成するべきでも、反対するべきでも、無いと思う。
そもそも、「関係ないから賛成」はLGBTの人たちが最も訴えている「他者からの理解」と真逆の発想なのではないか。
そして、今回の大阪地裁の判決を最後まできちんと読んでる人ってどのくらいいるのだろう。

私はアホなので、アホなりに今回の違憲判決について考えてみた。noteっぽい使い方!!

読売新聞の無料記事

朝日新聞の無料記事

(ちなみにまだ地裁の判決なので、ひっくり返る可能性全然ある)

憲法14条
「すべて国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」
日本国憲法
憲法24条
①婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
日本国憲法

今回の裁判は、
「同性同士の婚姻が認められない」ということはこの2つの憲法に違反しているのではないか、という論点で行われている。
(認められないという事実は憲法の保証する平等権を侵害されたとしている)

違憲が認められる→司法が現在の婚姻における法律は憲法と相違あると認めることになる→日本における婚姻の法律の改正や立法をするキッカケとなる

判決
「違憲ではない」
理由
①LGBTの方々が公的に認められて共同生活をスムーズに送れるようにする必要はあるものの、そのためにはどのような制度が必要なのかという議論がされていない現段階で、「同性婚を認めない」という法律を違憲だとは言い切れない。
②「同性婚を認めない」という法律は憲法24条の秩序に沿ったものであり、憲法14条の許容範囲内であるため、違憲とは言えない。
③故に、「同性婚を認めない」という法律は違憲ではない。
(判決文を私が理解しやすいように言い換えました)

さらに詳しい判決内容
A.24条に違反するかどうかについて
1)そもそも、憲法における婚姻は「男女であること」を前提としており、「同性間の婚姻」については憲法創設時に想定していなかった。そのため、「憲法において同性婚を禁止する」趣旨が含まれているとはいえない。いえないが、認めることとするとも言えないため、「同性婚は認めない」という法律がこの憲法に抵触するとは言えない。婚姻に準ずる法律等の立法が憲法に触れることもない。
2)24条創設の背景として、異性間であることを前提に、身分や職業、個人の尊厳の尊重や両者の平等のもと、婚姻は成り立つべきだとしている。
3)人類は男女が共同で生活して子供が生まれて子孫を残す、という実態が歴史的に存在している。そのため、これに伴う法律に関しては合理性があるといえる。


難しく書いたけど、要約すると
①司法は同性愛を否定はしてない。むしろ認めるべきだとしてる。
②ただし現行の結婚に関する法律は同性婚を差別的な意味としてるのではなく、これまでの日本における伝統や歴史に準ずる法律になっている。
③同性婚に関しては、いくらでも過ごしやすい法律を作って良いと思うけど、現在の法律が「違憲だ」とはいえない
ってことですね。

なるほど。理解しました。

現在ある憲法において、そもそも「同性婚」が前提として存在しない以上、その思想をもとにした民法もまた、違憲とはいえない。たしかに。

じゃあ、憲法の前提を変えないといけないんだ。
あるいは、パートナーシップ制度を国で認める方針に動いていかないといけないのか。

ちなみに、LGBTの方々がパートナーシップ制度(あるいは事実婚)で得られない権利は大まかに下記です。

・手術の同意、病院での接見
・戸籍に入る
・遺産の相続
・税金の控除
・賃貸の審査が通りづらい

ただ、裁判所では「これらは他の方法をもってすれば解決できる課題」と言ってます。(もちろん一部できないものもある)

ここまで調べるの、本当に大変でした。だけど、ここまでやって考えるべきだと思います。

因みに私はここまでやった上で「同性婚は賛成」です。ただ、「違憲と認めさせる」よりも「法律を新設させる」方が簡単なのかもな、と感じました。

そして、これに関して議論がなされていない、というのは本当にその通りだと思うし、今回の判決は違憲だったけれど、この裁判が行われたという事実で、国会がきちんと議論してほしいです。

議論してもらうにはどうするか?
議論してくれそうな人に投票するしかありません。

だから、「自分に関係あります」。だって、投票するんだもん、私たちが。
きちんと議論して、話して、立法してくれそうな人に。あるいは法律を変えてくれそうな人に。

この一つの問題だけで、こんなに調べるの大変だったんだから、「何かを変えるために知る」って本当に大変。もっと考えて生きないと。

「よく分からないから、なんか皆んなが言ってる方で」という考え方、批判はしないけど、私はそれはどうなのかなって思いました。

私は法律に詳しいわけではないので、違う解釈をしている部分や足りない知識は教えてもらい次第追記します。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?