鬱のときの本
話し声に耳を塞ぎたくなる
すでにイヤホンで耳は塞いでいるが
耳というより頭も目も耳も塞ぎたいというか
全てシャットダウンしてうずくまりたくなる
身を切るようなイメージが浮かぶ
離れて忘れていた人が思い浮かぶ
だから大音量の音楽を耳から摂取する
『鬱の本』を読んでいたら少し楽になった
死についての言葉が、
他の言葉と同じ軽さで書かれているから
ああ、私だけじゃないんだって
本に出てくる人たちと
それぞれ自由に、でも近くで気配を感じながら
暗い部屋で過ごしているような
同じ場にいるんだけど
お互いを意識せずに、違う方を見ていたり
違う事をしているんだ
そこに少しだけろうそくの火が灯るような
そんな暗くて仄かなあたたかさ
私はこうやって今夜を生きるんだな
▽点滅社さんのnote