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📖凪良ワールド💞💐

『真夜中クロニクル』

「死ね、ボケ」
長い睫毛、サラサラの髪の奥の黒い瞳、ぽてっと赤い唇から発せられた鋭いナイフみたいな言葉に、真下陽光はビリビリとしびれた。
同時にゾクゾクした高揚感に心が震えた。

「お兄ちゃん、スッゴク綺麗‼️シャム猫みたいだ」
ニーナの顔を見てるとポッと顔が赤らむのがわかった。

父さんが性格の悪い美人にゾクゾクするって言ってたのを思い出した。
「悪魔みたいに綺麗で、プライドが高くて超性格が悪いニーナが大好き。俺がニーナを守らなきゃ❗️」小五の陽光は、早く大人になりたいと心から願った。

「つだ妖怪~、水ぶくれ」
「近づくとどろどろにとけるぞ」

クラスメートの容赦ない言葉が、『あんこく』の始まりだった。

津田新名は光に当たると身体中が赤く腫れ、火傷してしまう病気。
いつも、長袖長ズボンに手袋と帽子を離せない。

新米担任の浅はかな誘導で、それまで慎重に隠していたものが露呈してしまった。

異質なものを排除する社会は「学校」にはつきものだ。
それが、良い悪いにかかわらず。
一度ついた、レッテルは容易にははがせない。

ニーナは学校を捨てた。
光の差し込まない遮光カーテンの部屋で昼間に眠り、夕方から活動する。
家庭教師と通信制高校で済ませた。

17才のある夜、公園で出会った少年、真下陽光に「綺麗だ」と言われ逆に憤慨した。
今まで、蔑まれはしたが、褒められたことなどなかったのだ。

 「うるせえ❗️死ね、ボケ」
まとわりつくチビに腹がたった。

ニーナの思惑とはうらはらに陽光は毎日ニーナのところにあそびにやってきた。
「俺、ニーナが大好きだ。」
自分とは正反対の明るく屈託ない陽光が、過去の自分と同じ痛みを持っていた。
きけば、陽光は児童劇団に入っていることが理由で、いじめにあっているらしい。

陽光が、父のすむ街に帰ることになり、互いに離れがたいふたりは夜の逃避行の旅に出たが…。

満点の星を畦道に寝転がってみた記憶はその後のふたりを強く結びつけることに。

押さえられた感情を解放するためだけだった音楽が、陽光とふれあうことで、残したい旋律に変わった。


光と影、太陽と月。共にいなければ輝くことのないふたつの魂の物語。


″少年が年上のそれも男に恋をする″
BLならではのシチュエーション✨

一途な少年を攻めに、気の強い女王様タイプを受けの組み合わせは「セキュリティブランケット」
「未完成」
「あいのはなし」などでも。

それがまた少年が明るく前向きの男前✨ときたら、読んでるほうも、はやく大人の顔が見たい❤️と、ワクワクしてしまう🎵

受けは抵抗しながらも、いつの間にかほだされて~💦✨
って、ところにニヤニヤしてる自分がいる🎵


今回のサプライズは、映画監督の唐崎藤吾。この人と劇団裏窓の奥田は業界人にありがちな変わり者💦
このふたり、「美しい彼シリーズ」に出たら面白いだろうなあ‼️

成長した真下陽光は「薔薇色じゃない」の水野に調理指導を受けてましたね❤️

いろいろ、つながりを探すのも楽しいよ😆💕✨

読んでね~❤️

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