📖凪良ワールド🌻
『夜明けには優しいキスを』
「朝なんて来ないと思ってた…」
つぶやくと、後ろから公平が肩に顎を乗せてくる。
「大丈夫。世界のすみっこだって朝はちゃんと来るよ」
🌥️⛅️🌤️🌄
24時間営業のカフェでフロアマネージャーとして働く西搭要は、今日もドタキャンしたバイトの穴埋めや、社員がやるはずのレジ絞めなどをこなしながら、重い身体を椅子に沈めた。
人手不足の上に、社員なみの責任ばかり押し付けられるがバイトの身分でしかない。
それでも、仕事をしているときは何も考えずにいられるのが有りがたかった。
油断すればよみがえってくる誹謗中傷や他人の視線。
過去に犯した罪を忘れることはないが、せめてもの罰として自分を痛めつけている。
そんな要をなにこれと気にかけてくる後輩の公平は、ある日要が恋人の弘明に暴力を受けていることに気づく。毎日新しい傷を増やしてくる要に、弘明と別れてたほうが良いと訴えたが、
「弘明は悪くない、俺が悪いんだ」と頑なだ。
弘明は自分の幼い頃に受けた心の傷から、屈折した愛情表現しかできない男だった。
気持ちの伝え方がわからずに手を挙げ、捨てられたくないから無理矢理身体を繋げてくる。
そんな弘明を受け入れることで、要は過去の罪に報いようとした。
ある日公平に食事に誘われた要は、手製の食事や屈託ない日常を話す公平に安らぎを覚えた。
緊張のとぎれた瞬間無意識に涙がこぼれた。
こんな幸せを感じてはいけない❗️
そんなことは許されない…。
拒む要を抱きしめて公平が叫ぶ。
「あんな奴のところに返さない。俺が死んでも要さんを守る❗️」
同時に脳裏に浮かんだのは弘明の言葉だった。
「死んでもお前を離さない…。」
暗く燃える瞳がどこかから見ている 気がした。
✨✨✨
重いです。暗いし、刹ない~💦
前半はほんとに読んでいくのが、辛いです。
📖そんな時は最後のページをちらっと覗いてしまいます~💦
それが、冒頭に挙げたシーン✨✨💞
ネタばれですが、これにつながると思ったら、辛い前半は切り抜けられます😃
要、弘明、公平それぞれがこころにささった棘を外していく過程が、ハラハラ、ドキドキ、キュンキュンです✨💞
そして、この加瀬弘明のスピンオフ物語は「お菓子の家」で明らかに‼️
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