📖凪良ワールド💞✨
『薔薇色じゃない』
右にしますか?
左にしますか?
鬱々とした脳裏に浮かぶ分離点の標識。
人生は選択の積み重ねだ。
慎重に慎重に選んだはずなのに、そちらが正解かどうかは、ずっとあとにならないと解らない。
水野と阿久津は出会った瞬間にパズルが組み合わされるように、引合い、ゲイ仲間にひがまれるほど仲むつまじい恋人同士だった。
一緒に暮らし、フードスタイリストへの夢に突き進む水野とそれを支える阿久津。
最初はうまくいっていたふたりのリズムが、水野の仕事が多忙になるにつれギクシャクして行く。
好きな気持ちだけでは埋め合わせられないすれ違いの果て、水野ほんの一言がきっかけで、阿久津は別れを切り出した…。
「もう、二度と恋なんてしない」
やっと心に鍵をかけることが出来た頃、偶然、取引先としての再会。友人としての長い腐れ縁の始まりだった…。
水野の張り裂けんばかりの心に思わず、共感してうるうる~💦
奥に秘めた思いを悟られまいと淡々と振る舞う健気さ。
男はこうあるべきを頑なに貫こうとする阿久津には、幼い頃の母との思い出が心の凝りとなって踞る。
出会い、就職、別離、再会、結婚、離婚、海外左遷…。
人生のあらゆる岐路が丁寧に綴られ、その度毎に現れる標識。
右にしますか?
左にしますか?
いつも、心とは反対に矢印は振り切り、ああ、またか。と溜め息が漏れる。
『愛しのニコール』の大人版とも言える、じれったい恋のシーソーゲーム✨
阿久津の嫁が仕事に戻りたいといってケンカになったと聞いた水野が、相談にのるうちに「昔の俺もそうだった。」と本音を漏らすシーンはジーンときた😭
仕事と俺とどっちが大事なんだ?と我が物顔で言う男は、それが、罪だとは気づいていない。
それを少しずつ自覚せざるを得ない阿久津の変化も面白かった😃
それにしても、水野の作るメニューは文章なのに映像が飛び出してきて、美味しそう~❤️
ゆうさん自身、きっと料理が大好きなんだなあと思う🎵
出汁の取り方や素材の扱い方がプロ級💞
フードスタイリストだから、当たり前か‼️✨
そういえば、映画の監修で鶏をさばくシーンに
「真夜中のクロニクル」の真下陽光くんが出ていましたね~❤️
これもサプライズで楽しかった😃✨
大人の恋に触れたい時に読んでほしい一冊。
焼け木杭に火をつけて見たくなるかも~❤️✨⛵️