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家族との繋がり「Moʻokuʻauhau(モ・オク・アウハウ)」

学校でハワイ語を勉強したり、Hawaiian studies(ハワイ文化の研究)の授業を受けていて、ハワイの文化に関わる宿題として「祖先・子孫とのつながり」に触れる宿題が、たびたびありました。

遡ることが出来る限りの祖先(ひいおじいちゃん・おばあちゃん、それより前など)のことや、今の家族、おじ・おば/いとこなど、広い意味の家族について話す、宿題でした。

私は曽祖父母の名前などが曖昧だったので、日本に居る家族に、戸籍謄本で名前を確認してもらったりしました。

そういった課題に何回か取り組んだり、ハワイ語やHawaiian studiesの先生たちの話を聞いているうちに、「ハワイの文化や歴史を大切にしている人たちが、なぜ祖先・子孫との繋がりを、こんなにも大切にするのか?」ということについて、それは「ご先祖様を大事にしましょう」…という感じとは、少し違う感じがするようになりました。

「ご先祖様を大事にしましょう」については、それはもちろん、そうなんだけど。もう少し、そのことが、ハワイの文化の隅々まで繋がっている感覚をおぼえました。(その感覚、今はまだ、上手く言葉で表現できません。)

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【写真:実家のハイビスカスたち】

「Moʻokuʻauhau(モ・オク・アウハウ)」というハワイ語は、英語で「Genealogy」で、日本語で「家系・系統・系譜」などの意味です。

(宿題のタイトルも「Moʻokuʻauhau(モ・オク・アウハウ)」でした。ハワイ語としても、英語としても、いまだに覚えにくくて、苦戦している単語です…。)

「Moʻokuʻauhau(モ・オク・アウハウ)」というハワイ語を直訳すると、上記のような英語や日本語ですが、宿題を通して感じたのは、もっと深い「家族の繋がり」のような感覚です。

そこから、ふと書きたくなった、今回はハワイ語と直接には関係ないお話です。

私が、日本で英語学習をスタートした頃のこと。

そして留学することを決心して、さらにその後の、人や家族との繋がりの話です。

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【写真:実家のハイビスカス】

日本に居た5年前、母と私は、それぞれオンライン英会話で、英語の練習をしていました。

その後、母は亡くなり、私は留学することにしたので、オンライン英会話を辞めました。

でも、新型感染症の影響により、アメリカの学校も、今年の3月からオンラインになったので、もっと英語の練習をしたくなり。

日本に居た頃と同じオンライン英会話で、私は英語の練習を再開することにしました。

(留学してるのにオンライン英会話かよ…とは思いつつ。でも個人レッスン、とても良い!むしろ良い!)

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【写真:実家のチューリップ】

当時の母は、いつもお気に入りの先生を選んでいました。そして、その先生が、今も同じオンライン英会話の講師を続けていることに、気づきました。

母は社交的で、友達もたくさん居る人でした。
でも、2回目の癌を患った以降、家族以外には会わなくなりました。

しばらくは元気だったので、家族と旅行したり外出したりして、その時の母は楽しそうだったし、元気な様子でもありました。

でも、亡くなるまでの2年間くらい、本当に家族以外に会わなかった。(本当は、長い付き合いの親友に会いたかったのかもしれないけど。)

オンライン英会話は、その頃の母にとって、家族以外との繋がりでもあり(しかも日本人じゃない繋がりという…!)、好きな英語学習を続けられる機会でもありました。

母がオンライン英会話をしていたのは1年間ぐらいで、最後となったレッスンの時、たぶん3回目の癌の影響か、30分弱のレッスンが辛そうで、レッスンの最後のほうで「今日は、もうレッスンを終りたいかも」と、先生に言っていた記憶があります。でも、頑張って時間いっぱいのレッスンを受けていました。

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【写真:実家の花たち】

先日、「母のお気に入りだった先生に、お礼を言おう!」と思ったタイミングの日が来ました。

そして、「母は亡くなってしまったけど、あなたのレッスンは、母にとって貴重な時間だった」ってことを伝えたくて、その先生のレッスンを受けました。

「5年も前のことだし、先生は何千人もの生徒がいるから、覚えてなくて当たり前だろうなぁ」…と思っていたのに、その先生は母のことを覚えてくれていました…!

母の名前やニックネームを伝えたときは、「うーん、覚えてる気もする…うーん」って言っていたけど、「お母さんの写真はあるの?」と言われて、母の写真を見せたら、「思い出した!」と叫んでくれました。本当に叫んでいました。笑

「気を遣って思い出したふりをしてくれたのかな?それも嬉しいけど」と思っていたら、当時の母とのレッスン内容についても、詳細を思い出してくれて。「覚えてなくて当たり前」…だと思ってたから、びっくりした!

私は当時、パソコン操作の補助として、いつも母の英会話レッスン中は隣に待機していたから、母とその先生のレッスン内容を聞いていました。

私が当時のレッスン内容の詳細を言う前に、その先生は、すごく細かい記憶から、母との会話などを話してくれました。

「あのとき、隣でパソコン操作の補助をしていた娘さんが居た。え、あなたなの?!」とか、母がいつも準備していた英会話のトピック(過去に習い事で作った作品の話)とか、本当に細かく思い出して、話してくれました。

「覚えてる!思い出した!」…って、何回も英語で叫びながら。笑

「最後だったレッスンのことも覚えている」って、少し辛そうだったことを、私が話す前に思い出してくれて。

そして、「あなたのお母さん・私の生徒が亡くなったことは、本当に悲しい」と、何度も言っていました。

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【写真:実家のハイビスカス&どくだみ草】

オンライン英会話なので、実際には会うことのない、フィリピン在住の先生。

「ありがとう」…と思った日でした。

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kahale uchi
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