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「企業とビジネスライター商談会 in 東京」出展。率直な感想=出て良かった&来ていただいて良かった。
2025年2月7日(金)に新宿にて「企業とビジネスライター商談会 in 東京」が開催され、私も出展者として参加しました。会場では、30組超のライター・編集等のクリエイターが出展。事前予測を超える多くの、そして多彩な来場者を迎え、熱気に包まれた1日となりました。こうした機会が今後も増え、全国化することを期待しつつ、いち参加者としての感想を残します。
出典実感
○満足感
「出典して良かった」のひと言です。実は、事前にそうした期待値はあまりなく、こうしたものの出展料金の相場も知らないので、申込には数日躊躇しました。それでも申し込んだ理由は後述します。当日、11時から19時までの8時間の密度と質感は、「個人で営業して回る」ことを考えた場合、時間では20日営業日を使って都心への往復をくり返し、その交通費だけでも出展料の数倍を要したでしょう。何より、手応えの実感は比較が不可能なものを得ることができました。
その場で何か「商談が成立」したわけではありませんが、次の点に手応えを感じています。
・面談相手の課題やニーズを聞くことができた。
・その課題やニーズに対して、自分なら何ができるかを説明、提案ができた。
・その説明、提案をその場で理解し、検討対象にしていただけた。
これは大きな成果です。自分もビジネスコンテンツを作って来た中で「営業とは売ってくることではなく、課題を聞いてくること」と何度、書いてきたことか。
○満足感の理由
今回の商談会では、「いいですか?」と訪れた方の自己紹介からスタートし、「何をしている」「何を探している」を話していただけました。それに対して、こちらの実績や提案を話すことで、「何者か」だけでなく「何ができるか」を説明できます。当然、中には「何が専門ですか?」と聞かれる方もいます。これが「こちら側から営業する」際には、とても困るハードルです。聞く側は要点を絞りたいからです。
けれども、私の場合は「専門はありません」と言うので、相手の関心がそこまでになってしまったこともこれまでの営業にはあったと思います。「応募フォーム」でそれを書いたらマイナスでしょう。
今回は「専門はありません。でも、先ほどの御社の内容に対しては、こうした実績があります。また、こうしたものもあります」とこちらの説明へと展開できました。さらに「なぜなら専門家同士で分かるスペックを、届けたいユーザーに分かる読み物にするのが得意なのです」とアピールもできます。
基本、ここで「そうそう。実は、それをやってもらいたい」とご理解いただける方ばかりでした。双方、「伝えることができた」という場になったことが、少なくとも私にとっては「満足感」の大きな理由となりました。
初出展←出展準備←出展申込
○パンフレット作成、HPの見直し
確認すると、出展申込をしたのは11月初旬。12月になると「ハンドブック」と「出展ガイド」が主催者から送信されてきました。リーフレット作成やテーブルの使い方のアドバイスを見て、あらためて「自分の説明の仕方」を見直すことに。
しばらく放置していた自分のHPを見ると、これまでの「実績」を網羅・細分化し、むだに興味関心まで盛り込んだものだと再確認。でもそれは、アーカイブ的な意味合いと、これまでの協業者の方々への敬意のためのもので、あまり「営業」のことは考えていませんでした。むしろ、取材依頼先に「怪しい者ではない」ことを確認してもらう保険的な意味合いもあったのです。
これは、自分以外の人が見ても分からない。
ここを変えないと、このままリーフレットを作っても同じことになる。そう思ったとたん、「あー。めんどくさい」と年またぎの締め切りを理由に「来年」への先送りを決めます。
○シンプルな見せ方を再検証する機会とする
結局、作業にとりかかったのは1月下旬。当日まで1週間程度です。
リーフレットの誌面ラフを考えるも、A4、1枚、裏表2面ではむしろごちゃつく。ラフをいくつか作り、A4、2枚を折って、A5、8pで構成することに。
形は見えても、中身をよりシンプルにしたいのでまだ数日かかる。というかかけたいので、印刷発注はせずに自前の複合機のプリントアウトで済むものとし、刷って・折るだけのページネーションをWordでぼちぼち作ることに。
これはリーフレットではなく、パンフレットだな。でもいいや。という結果が、下記リンク先からダウンロードできます。ぜひご覧ください。
●プロフィール・制作実績パンフ ダウンロード
↓こちらでも内容を公開しています。↓
○HPのハブ化
合わせてHPの見直しへ。むしろこっちを「1枚」だけにすることに。
パンフレット構成をそのまま、必要な詳細はポートフォリオやnotoへ飛ばせる、「HPのハブ化」でいいやと結論。
「時間がない」が理由ですが、商談会に向けた意識が「知らせたい」より「知りたい」にシフトしたので「これまで」よりも「これから」でいいやと思えるようになっていました。
これも今回の商談会に出ることで得たメリットの1つです。
HPは以下のリンク先にあります。
当日→盛況→充実→楽しい
○空間の制限でさらなるシンプル化
会場に着くと、テーブルの設営に着手。
事前に長テーブルの半分、幅90cmと知らされていたのでシミュレーション済み。書籍用ラック、パンフ用ラック、WEBや紙誌の記事出力紙のクリアファイル……。
限られたスペースを有効にと想定していたものの、現場で感じたのは、正直「思ったより狭い……」。何と事前想定では書籍用ラックを2段構えにしていたのです。それを1段に変更し、飾れる実績をしぼり込みました(なぜ2段いけると思ったのか……)。
でも結果は、そのスリム化が功を奏し、ポイントを押さえた作例提示になったようです。眺めて「見つけて」くれる方や、ラックの裏に平積みした「残り」を見つけて「そっちもいいですか」と興味を示してくれる方など、程良い「きっかけ作り」となったようです。
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でもこれ、柱がなかったら成立してないな……。
○来場者の熱量が高い
主催者からは「平日だし、本番は夕方から。それまでは気を張らずに」というアナウンスがあり、事前にXで発見しDMを送っていた出展者の方々に挨拶に回ろうかと予定。何人かに挨拶をしたものの、昼前から来場者が増え始め、昼頃からは「座っていると声をかけてもらえる」状況になり、午後はそれが常態化。気づけば、時間によっては対面の声が聞きづらい場合もあったくらいの大盛況となりました。
ほとんどの方が配布された出展者プロフィールを熟読。そこからピンポイントで席へと向かう方も多く、挨拶以降は冒頭の印象の様に、具体的かつ熱量高めのコミュニケーションに突入します。
私の所へ来る方は、版元系編集者に加え、企業ツールとしての成果物を検討している方もあり、「商談」というより「何をどうしたら」からスタートすることもチラホラ。都度、何かしらヒントになればと頭フル回転で話し続け、午後早めに声が枯れて来ました。
○対話時間が長い
パンフは手製でもあり、購入した用紙分を全部刷ったので150部くらいを用意していました。対面でお渡ししたものの他、共同スペースに置いて持って行っていただいたものを合わせて、結果的には50部強ほどが届いた感じです。
これが多いか少ないかは分かりませんが、対面・手渡しした方々との対話時間はそれぞれ長く、内容の充実度は「よい会議をした」ぐらいのものがありました。
パンフで何を伝えるかをあれこれ考えた結果、私がやっている「編集協力」とは何か? を図式化することに。そもそも「編集」自体、個々人の自負や理解は異なりますし、「ライターに編集は求めない」のが当然との人もいれば、「もうちょっとやってもらえれば」と常に思っている人もいる。そこに「コスト」を懸念する人もいて、むしろそれはぜひ懸念して欲しいことでもあります。
そこで、私の場合の「編集協力」とは、版元が出版事業をGOした後から校了まで。その間の「一部か全部か、それともどこかのどれか」である。これをパンフに載せました。
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これをベースに「何ができるか」の説明と「何をして欲しいのか」の説明とすり合わせていくことで、「来場者と私の場合」の解像度が上がったと思います。
○「業界」「同業」感の体感時間が楽しい
解像度が上がると、見えて来るものも一致するので、そこからは「商談」というよりは「業界あるある課題」の話をすることも。
ひさびさに「深夜の編集部での会話」「新宿の『談話喫茶 滝澤』の雑踏感(分かる人は50代以上)」を感じて、正直「楽しい時間」になりました。これも、今回の商談参加における大きなメリットの1つです。
出展者が熱いので、会場も熱い
会場は「寒波」とは何かと問うほど室温が高く。それにも増して、約30組の出展者の方々の熱意の高さも印象的でした。
私は、ほぼ全員と初対面。事前に「X」でアカウントを見つけた人にDMを送り、当日の挨拶を伝えていましたが、想定外の盛況のため半分の方にも挨拶できませんでした(申し分けございません)。
事前にDMを送っていたのは、出展者の方々にも興味があり、「今のライター事情」を知りたかったからです。それは現在の業界ニーズと同じくらい、個人的に不明な部分です。
個人で事業を継続し、その提供価値を磨くのは、相当に大変なはず。
一方で多くの版元では「ライターがいない」と言われています。「任せられる人材が」とか「本を1冊書ける人が」とか。
そういうものなのか、と思っていたのですが、会場に着いて何人かの方とお話しした時点で、そうではないことが実感できました。それは説明のしようもないですが、当日来場された方は皆さん実感されたことでしょう。
「書きたい」のは当然ですが、その先に「質」や「価値」の提供をしっかり見据えていて、その矜持もしっかりある。中には、「編集はとても」「本1冊はむり」と言う方もいましたが、私が見た限りでは、「あなたの仕事、すでに編集まで担っている」「その記事の作業量と質、20本分が1冊」と言えるもので、そこに気づいてアピールしてもいい人ばかりでした。
そして編集サイドの来場者の方は、それをそもそも求めていないことも。なので「いや、いますよ。この会場に。1人でも多く、会った方がいいです」とお伝えした方が、2時間後も会場にいたので、たぶんご理解いただけたと思います。
そうした「できること」「やりたいこと」「やってほしいこと」「一緒にやりたいこと」が徐々に解消されれば、いろいろ変わりそうな、生まれそうな感じを勝手ながら思った次第です。
なのでこのような商談会が、継続、各地に拡大、出展者も来場者も増えていくことを楽しみにしています。
過去に遡ってお仕事した方々に「Bccで送信します」と本件を告知。何通も宛名不明のアドレスもありました。一方、会場で「あの、ご案内いただいたのですが。ごめんなさい、何でご一緒しましたっけ?」という方も。他の方のメールにあったcc.アドレスの方なのですが、申し分けない反面、積極的にいろいろな出展者を回っていたようなので送って良かったと思っています。
「X」やプロフィールで知って訪ねてくれた方も多く、「出て良かった」「来ていただいて良かった」と何度も実感しました。
来場者の方々、そして、こうした場づくりに尽力されたトイアンナさんに感謝申し上げます。ありがとうございました。
↓ 主催されたトイアンナさんの開催経緯レポート 必読です ↓
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