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須恵器・土器を愉しむ【観覧メモ】「特別公開 北大竹遺跡」(埼玉県埋蔵文化財調査事業団・2022年4月6日〜4月10日)
子持ち勾玉が45点も見つかったことで話題の「北大竹遺跡」。その発掘現場の「大量の土器群の集積」という特徴をそのまま再現した展示。「2号集中地点」と呼ばれる場所には1979点の遺物が出土。その中の「一部のみ」とのことだが、さまざまな器種の須恵器が並び、なかなかの見応え。
発掘現場では須恵器の合間に重ねられた土師器の坏がみっちり置かれていたとのこと。祭祀そのものの現場なのか、祭祀後に使用した器を「展示」のために集積した場所などが考えられるらしい。いずれにせよ、「これだけのことができる」という権威を示すためと考えられる。
「集中地点」の中には大甕もたくさん出土。展示内に置くと他の器が見えなくなるので別展示。東海等、遠い窯のものも含まれる。
甕の中の「叩き目」。古代人の手仕事も生々しく感じられる。
個人的には「脚付長首壺」が好きなので、それが数多く見られたのが良かった。それだけ「特別な祭祀」だった証でもある。
「はそう」も。
その他の器種、土師器、話題の子持ち勾玉や金属製品なども出土。
小一時間いても見切れない情報量の多さに圧倒される。
保存後の遺物を、発掘源場の息づかいや、発掘時の驚きの追体験的に見られる展示はとても楽しい。「埋蔵文化財収蔵施設」ならではの企画だと思うので、今後もまたやっていただきたい。
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