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仕舞ワークショップ 金剛能楽堂
お正月、金剛能楽堂に足を運びましたら諸事情()で若宗家とお孫ちゃんがおやすみ。
昨年は謹一朗くんのやりとげた「えっへん!」の表情や、宗家のでれでれほんわか空気が最高で、今年もぜひ……と思ってただけに残念。でも仕方ないよね、それに初能でまた会えるしね!
と、いうことで1月の19日
またも金剛能楽堂へ。なんとですね、当日券価格プラス500円で事前ワークショップに参加できるんですよ奥様!! これは当然申し込みますわよね!
こちらのワークショップは能楽堂へ初めて来た人、能楽はじめての人でもわかりやすい解説と謡(『高砂』)、それに舞台上で仕舞体験という贅沢メニューです。舞台にあがっていいの?? お清めもしてないし(前日のお風呂で念入りに体を洗いはした)わたくし女だよ? 素人だよ? なんて思いつつ新品の足袋をかばんに忍ばせいざゆかん。
まずは解説に謡。いろんなワークショップで『高砂』は聴いてきましたが、観世流ばっかだったなと流派による違いを肌で感じることができました。
そして靴下を足袋にはきかえていざ舞台へ。
「階からどうぞ~ きざはしって言うんですよここ」
まてまてまてー!!! わたし、お殿様でもなければ無惨様でもないんですが階から上がってiinndesuka!? ああ、思わず変換まちがえるくらい動揺しました。
階ってとくべつなもので、能楽師や一般人がそうそう使っていい場所ではないはずなんです。
能狂言『鬼滅の刃』で萬斎無惨が場所てけてけのぼっていたりもしましたが、能楽堂によってはNGだったんですね。で、ぴょんと飛び乗ったりもしてたそうで。
もうわたくしドキドキですわよ。こんなことってあるんだーと思いながら舞台上へ。
仕舞のお稽古もどきはおなじく『高砂』の一節から。
舞扇のひらきかた、持ち方から教えていただきまして
「右足を出してこう……」
ところでわたくし、中学時代の体育でペーパーテストでなんど学年一をとっても5段階中3で、高校時代は人より出来が悪い分、誰よりも一所懸命事前準備から片付けまでやって授業も必死にやって5段階中2という成績をつけられたことがある悲しい過去をもつ人間でございまして。
しかも腰と膝と足首をやらかしていまして、だいぶんとしゃがめるようにはなりましたがそれでも結構厳しくってですね。
でも人には情熱という名の根性がございますでしょ。
やりましたわよ、ええ、わたくしやりましたよ。めっちゃ下手っぴでございますけれども!!
最後にトン!と膝をつく、あこがれのあのカコヨスなあの場面も!! 舞台上で!! ひぃぃぃ、なんぞこれ、こんなことがあってもいいのか。自分の人生でこんなできごとが起こることってあるんだって思いましたね。
まさに人生いろいろ。
ごめんね、なんか心おもむくままダラダラ書いてるよね。
そのときの気持ちをトレースするとこうなっちゃうんだぁ……
公演内容 番組は以下の通り
「神歌」
能「現在七面」金剛龍謹
狂言「酢薑」茂山七五三 読めない……「すはじかみ」だそうで
能「小鍛冶 白頭」金剛永謹
謹一朗君は最初の「神歌」に登場。
1年のあいだにずいぶん大きくなっていて、昨年の少々落ち着きなさ(そこがかわいかった)がなく、しっかりしてきて~と親戚のおばちゃん感覚でみてしまいました。
こうして成長を見守るのもたのしみのひとつですね。
金剛流は舞金剛とも呼ばれていて、優雅さではダントツだと感じます。
宗家の何気ない手の仕草ひとつで、花が舞う。見えない花がそこにある。
これができる舞手はそうはいないと思います。
その美しい舞が金剛流の見どころであるのに、昔は宙返りなどもしてたとか。若宗家は「できませんよ、そんなの」とおっしゃっていましたが、『石橋』で一畳台から面とあの装束をつけて飛び込み前転をなさったのには「できてますやん……」という感動しかなかったです。子獅子ですから、元気いっぱい暴れますよね。で、やっちゃうんだ。すごいや。
語りだすと止まらないので、今回はここらでおしまいにします。
ではまた☆
トップ画像は若宗家のお書きになった本の表紙でーす