ワークマン式「しない経営」 !感想
私は製造業に従事しているため、普段から作業着を着ています。上着は会社指定の物を着ていますが、ズボンは自由です。なので、古くなったり破れたりした場合は、ワークマンに買いに行きます。他の選択肢はありません。
一にも二にもワークマンです。何故そうなったのか考えもしませんでしたが、改めて考えてみると、現場で使う服や安全靴などありとあらゆる物がそ揃っていて、更にそれらの商品の信頼性も高いからだと思います。
買うものがあってワークマンに行くことになると、なんかテンションが上がってしまうんですよね(笑)新しい道具を発見できないかな?とか、高機能なズボンが出ていないかな?などなど、妄想しがら店舗に向かうのが楽しいんです。
そんなワークマン信者だから、この本を見つけた時も一切の迷いなく買うことを決断しました。近年、ワークマンの安価で高機能な服が一般層にも認知され、人気が出ていたことで、もっと知りたいという気持ちにもなっていました。
ワークマンは高機能な個人向け作業服を格安の値段で売るビジネスモデルで、他社がまったく追随できないどころか、新規参入もない圧倒的なブルーオーシャン市場を独占しています。それを可能としている経営方針が、
「しない経営」です。
私の会社もそうですが、ほとんどの会社はこの「しない経営」と真逆のことをやっているはずです。それが世間一般の常識だからです。これだけのことをしないで、増収増益なんて信じられないですよね?
とりわけ、「仕事の期限を設けない」なんて、まじかよ!!って感じじゃないですか?
因みに私は叫びました(笑)いつも納期に追われヒイヒイ言いながら仕事している身なので、それはもうね、ビックリしましたよ。
ワークマンでは期限を設定しない代わりに、やろうと決めたことは必ず実現させる仕組みにしています。
理由を知れば「なるほど」その通りだなと思います。期限に追われた仕事は、細かい部分に気がいかず、質が下がったり、ミスに繋がったりすることがほとんどなので、ワークマンのしないやり方は、良く考えられていると感じました。
ブルーオーシャン市場と「しない経営」で盤石と思われるワークマンですが、2012年当時は、成長の限界がはっきり見えていたそうです。いくら独占的な地位を占めていたとしても、市場自体は一般的なアパレルに比べると断然小さい為、店舗を増やして売り上げを伸ばすことに限度があります。
そこで、三井物産で様々な新事業を立ち上げ、業績を上げてきた経歴を持つ著者が、ワークマンに役員として呼ばれ、今後の展望に行き詰ったワークマンの企業改革を任せられる事になります。
著者が掲げた目標は「ブルーオーシャン市場の拡張(客層の拡大)」です。
目標実現の為、著者が行ったのは、自社の強みを最大限に活かしながら、新しい市場(一般客)をターゲットとした店舗を作ったことです。それが、
「ワークマンプラス」です。
元々ワークマンには、作業服以外にもアウトドアやスポーツ向けの製品もあり、その中から派手めのアイテムを抽出して店舗のレイアウトを作りました。始めは厳しいと思われていたそうですが、予想を覆し成功しました。
その要因は、低価格で高機能なアウトドアウェアを求める強大な空白市場があった為です。それまでは、アウトドアウェアと言えばNORTH FACEやmont-bellといった企業の製品がほとんどで、高価格です。
そんなところに安価で高機能なワークマンが乗り込んできたら、売れないはずは無いですよね。私自身も趣味で登山をやっているので、非常に分かります。特に海外メーカは高級ブランド化しているので、ほんと高い!!なので、今までは一式そろえるだけでも、結構な値段になっていました。
この空白市場を見つけ、安価な製品を送り出した著者には、「ありがとう
\(^o^)/」と伝えたいですね。
他にも著者が行った重要な改革があります。
それは、「エクセル経営」です。
ワークマンプラスという新業態を運営していく際、これまでの感と経験は通用しないため、データの活用が不可欠となりました。今までのワークマンでは、データというものをまったく取っていなかったため、まずはデータを集め、それをエクセルで分析する方針をとりました。
ここから、全社員にエクセル分析を浸透させ、全体のレベルアップを実現させていく過程が説明されています。今までの経営のやり方では、上手くやれなかった社員が劇的に変化する様子は、私自身も大変良い刺激になりました。
大好きなワークマンに関することなので、長めの感想文になってしまいました。製品だけでなく経営のしかたについて勉強できて、本当に良かったと思います。
明日から活用できる内容ばかりです。
是非、読んでみて下さい。
感想文を読んでいただき、ありがとうございました。
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