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#素晴らしい世界ね。
アツシグラウンドです。
浅野いにお先生の漫画が好きです。その中でも特に好きなのが、「素晴らしい世界」です。次世代読み切りシリーズとして描かれたこの作品は、明確な主人公の言及がなく、読んでいる自分が主人公なのではないかと思いました。各話で主人公が移り変わるのですが、その主人公たちが同じ世界、同じ街の中で暮らしています。この漫画を読むと、この現実世界に彼らがいるような気分になります。そういった意味で読んでいる自分自身が主人公のように感じるんです。(マジでおもろいから全人類一回読んでほしい)
最近うまくいかないことが多いわけで。(もともとうまくいってたことなんてそんなないんだけどさ。)「何で生きてんだろうってすげぇ思うんだ」なんて思春期みたいなこと考えたりして。自身のアイデンティティはなんぞ?って考えてみたりして。口の中は血の味がしました。スーパーでレジ打ちをしながら、ニコニコ愛想を振りまきながら考えていました。もらった割引券を使って、廃棄寸前の惣菜を食べて、なんだかけち臭くなっちまったなと思いながら、必死に生きています。
大学二年生になってから二ヵ月が経ちました。オンライン授業になり、同級生の誰とも会ったことすらないのに後輩ができました。ZOOMの画面が終わると孤独の時間が流れています。CRYAMYを流しながらバイト先に向かう車内で、「願っているよ。叶うように。悲しい思いをしなくてすむように。」と歌うカワノの声に涙を流しました。見透かされているような気分になりました。
この世界で自分は「主人公」と思っていいのだろうか。FPSゲームのように見えているこの世界で、「主人公」は誰なんでしょうか。自分勝手に生きている大学の同級生を見ていると、自分は何者なのかと考えてしまいます。なぜここにいて何をするべきなのかと、思ってしまいます。金のない友人にサイゼを奢っている俺だってカツカツで生きているのに、スマホしか見ない、何を話すわけでもない、こんなのは友人と呼べるのかという感情に苛まれながら、ミラノ風ドリアを食べて。惨めになりました。
どうか、叶ってほしいと思うのです。
「何が?」
どうか、どうか、叶ってほしいと思うのです。
「できやしないよ」
どうか、祈っていてほしいと思うのです。
「笑える」
生きていれば必ず、どこかで良いことがあると思うのです。
「諦めな」
こんなぐちゃぐちゃな気持ちで、今日もレジを打ちました。
「ありがとうございました。またお越しくださいませ。」
マスクの下で鼻で笑って、