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夜行堂奇譚(弐)を読んで

『夜行堂奇譚(弐)』を購入しました。

著者の嗣人つぐひとさん自身もコメントされてるように、本を見てそのボリュームに驚かされます。

そして装丁の色を見て思わず、今回の本はスプラッター祭りではないかと。

恐る恐るページをめくりながら読み進めます。
でも、いつしかそんな事も忘れ物語の中へと引き込まれていく。

妖しくも美しい描写、時におぞましく無残な場面も。でもそこは一話完結のオムニバス形式。物語の数だけ救いがある。

それでいて今回は、前著に比べ活躍する登場人物の幅が広がってる。
ところどころで情報が繋がり、続き物のような錯覚を覚えるのも楽しい。

ところで、そもそも何故怪異に惹かれるのか。
好みの問題かな。
食べ物も、甘いものが好きな人もいれば激辛料理が好きな人もいるから。

それに怪異って過去からのメッセージのような気がする。
後世へ託された想い。
仕事ながらそれを受け止め、終止符を打ち次につなげていく主人公。
その様子がうらやましくもあり、またカッコいいとも思う。

もちろんそれだけじゃない。
降ってわいたような災厄や人間が生み出す悲劇。
その結末がどうなるのか、ハラハラドキドキしながら見守るスリル。
物語の中で体験すると安全だから。

今回は一気読みしました。
読み終わってふ~っと一息。
本を手に表紙を眺める。

物語を思い返しながら、この装丁の色はスプラッター祭りでなく別の狙いがあったのでは?
本文中のある場面に出て来る言葉が浮かびます。
よく見れば、背景に意匠があるじゃない。
これを書きながらようやく気づきました💦

味わい深い一冊だと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました💖


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