なぜ例文を変えるのか
文章を書くときに多義的な解釈ができないように推敲すると思うが、何を書くと多義的な解釈ができ、更にどういう解釈ができるのか、ということは、言語学の本読まないとあまり書いていない。文章の書き方をなどを読むと
「この表現はこれ、この表現はこれ」と何故かぜんぜん違う例文で比較していることが多い。
例えば「SallyのバイリンガルDiary ~人生ワンランクアップさせる一日6分の英語講座~」というブログの「外国語習得におけるmistakeとerrorの違い」という記事を見た
これが英語教育になると
二つは明確に区別されます。
疲労や早口などでうっかり間違えて
しまうものをmistakeといいます。
一方で学習者が規則的にする
あやまりをerrorと呼びます。
例えば
I go out for dinner yesterday..と言ったとして
本当は wentと言わなきゃいけないのが
わかっていて、間違いに気づき
I mean I went out for dinner.と言い直したと
したらそれはmistake であり、errorでは
ありません。
彼女はショッピングに行く、と言いたくて
She go to shopping..
と言って間違いに気付かず何度も
同じ間違いをしてしまうのは
errorです。
正しくはShe goes shopping.
三単現のSとgo -ingの形です。
私はmistakeについてはあまり
直しませんが、errorを注意深く
観察し、指摘します。
これでよくわからないのが、mistakeのときに「I go out for dinner yesterday..」という例文を出して、「She go to shopping..」という例文に切り替えているのかがよくわからない。
なぜ文章を変えるのだろうか。
ゆる言語学ラジオの第二言語習得論の回がわかりやすい。
この動画では、errorとmistakeを"swim"の過去形で説明している。
動画の内容を要約すると、
・swimの過去形がswamであることを知っていて、緊張などでswimmedと書いてしまうのはmistake
・過去形がedつけるものだと教えられて、swamという不規則動詞を知らない状態でswimmedと書いてしまうのがerror
ということだ。
注目したいのはerrorとmistakeで例文"swimmed"であることだ。
文法などを勉強していて、比較をするときに例文が全く違うことがかなり気になる。
以前考えたことが、「を」という助詞だ。
「銃を撃ったときに攻撃力+2」という文があったとしよう。
この「を」は二通りの解釈ができる。「銃」を用いて射撃を行うと、射撃の目標が「銃」である。
TRPGで通常は前者の「銃を用いて射撃を行う」だろう。解釈が分かれるのは武器攻撃のルールが追加されたときだ。この文章を前者の解釈しかできないように推敲するならば「銃で撃った時」にするかもしれない。
この問題をしばらく考えたとき、助詞を変えたとしても多義的な解釈ができる文はないかとふとと思った。「銃も撃った時」は「銃を打った時」とほぼ芋が変わらない。もっと抜本的に異なるやつだ。
考えた結果思いついたのが「コロニーレーザーで/を撃った時」だ。
「を」は上で書いたから良いだろう。「で」の方だが、「コロニーレーザーを用いてどこかを撃ったとき」と「コロニーレーザーという場所で他の武器を用いた時」だ。これがかなりギリギリの多義的だろう。
話が微妙に変わったので閑話休題。
この「単語の意味はなにか」で単語の意味が複数あるときに、「このシチュエーションならこっちの意味、このシチュエーションならこっちの意味」で同じ文にしてほしい。違う文章にしているせいで違いがわからないのだ。
知りたいのは
Because his stomach was growling, I think he is hungry.
と
I think he is hungry, Because his stomach was growling.
の違いなのだ。becauseの場所の違いの説明に、別の文章を用いないでほしい。