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    何が言いたいかよくわからなかったものをまとめています。内容の是非やイデオロギーなどを問うものではありません。

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「私」はどういう意味なのか

発話の解釈では、中島信夫, 『発話の解釈はなぜ多様なのか: ─コミュニケーション能力の働きを考える─』 にもあるようにIが必ずしも「私」を指すとは限らない。 John to Mary: I love you. の場合、IはJohnのことを指すが、 Mary: What did Tom say? John: I love you. の場合、IはJohnではなくTomのことを指す。 これだと会話が成立してしまっているので、これを一回の発話にしてみる。 John to Mary:

    • M:tGの「カジュアル」とはなんなのか

      9月24日に統率者戦で「宝石の睡蓮」「魔力の墓所」「波止場の恐喝者」「有翼の叡智、ナドゥ」の4枚が禁止された。 さて同日、晴れる屋で「スーパー・エキサイティング・コマンダー」の開催が発表された。 詳細はこれだ。 この大会では《Chaos Orb》 、《Falling Star》 、《Shahrazad》、策略、アンティのカード以外をすべて使用できる統率者戦である。 この試みはすごいよい。Xを見ると「統率者は所詮カジュアルフォーマットだから」なとど言われているが、そもそも、

      • 知りたいことは調べても出てこない

        最近「語彙力」がわからなくなって調べている。これは後日書こうと思う。 その中で一つ躓いたものがあった。 問題だ。「鑑みる」につかう助詞は「に」だろうか「と」だろうか。 「鑑みる」の話をすると「に鑑みる」なのか「を鑑みる」なのかどちらか正しいのかの話になるし、「鑑みる」で検索かけてもこの話題しかない。 しかし、知りたいには「鑑みるに」「鑑みると」の違いだ。なんならこれに「鑑みて」も加わる。これが調べても出てこない。 母語話者なのに日本語がわからなくなるタイミングがこれであ

        • 「こそ」の集積密度

          ゆる言語学ラジオの「係り結び」の回が更新された。 この回で、「こそ」は「比較物があって強調している」と言っている(端的に言い過ぎ)。 土佐日記の文章であれば 「中垣はあるけれども」の一文で中垣以外があるのかないのかを比較していることが「こそ」で丸わかりである。 これを聞いていてふと学生時代にまったくわからなかったものがあった。反語である。 以下の文章を考えよう。 当然のことながらこれは「梅がどうして咲くだろうか、いや咲かないだろう。」という意味であることは当然わかる。

        「私」はどういう意味なのか

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        記事

          『フランス料理用語辞典』読了

          山本 直文, 『フランス料理用語辞典』,白水社,1995を入手し、読み終えた。 読みながらメモを取っていた面白そうな単語をここにまとめる。 やはり、外国語の辞書は「これを一単語で言い表せるのか」が読んでいて面白いものであるが、genderがある言語の辞書は同じ単語なのにgenderによって意味が変わる名詞もやはり良い。英語や日本語の辞書にはない感覚。 ワインを形容する verdelet 男 未成熟で酸味のあるワインの形容 tuipe 女 時を経て黄赤色になった赤ワイン

          『フランス料理用語辞典』読了

          「白め」を「信頼できる」に言い換えること

          この2つのツイート この辺の話をきちんとしてないtipsが多いが、「白め」を「信頼できる」に言い換えることは初心者にとって非常に認知負荷が高い行為である。 ぱっと見てわかるのは「白め」は明らかにぱっと見て意味がわかりにくい、テクニカルタームっぽい単語である。 一方で「信頼できる」はただただ単に「信頼できる」と言っているにしか聞こえない。 マダミスで用語が~となると用語の定義を整備するのが面倒なので人狼で例える。 断っておくがAとBのどれが村人サイドであろうが、人狼サイド

          「白め」を「信頼できる」に言い換えること

          ルールの曖昧性の分類 その2

          ルールの曖昧性を見る上で、ルールにどのような文があるのかを列挙していきたい。 ・ルールが一文一義で記述されている(通常のルール文章) ・どのような理由を問わず、文章に曖昧性がある ・ルールには記載されていないが、暗に示しているもの ・ルールに記載されておらず、デザイナーの意図すらわからない(ルールの曖昧性の分類 その1に述べたもの) 2つ目の文章に曖昧性があるのと、3つ目の暗に示しているもの、の差は大きくないかもしれない。語用論的には述べている内容を「述べていない」と言っ

          ルールの曖昧性の分類 その2

          ルールの曖昧性の分類 その1

          ルールの文章に曖昧性はどうしても生じてくる。 一応断っておくが、一文一義で曖昧性はない方が良いというのには、私はかなり反対である。 ボードゲームをやっているとよく遭遇するが、この状況において「どのように運用したらよいかわからない」ということがある。 例えば、ライブラリがなくなった際に、捨札を切り直して再びライブラリとするのか、そのままカードを引く効果は発生しないようにするのか、がルールに書かれていない場合である。 そもそもTCGと、ボードゲームやTRPGで何が違うのかという

          ルールの曖昧性の分類 その1

          TRPGの記述の曖昧性

          一文一義とよく言われるが、その文章が一義に定まるかは文脈に依存する。 S.I.ハヤカワ『思考と行動における言語』, P63には次のような文が挙げられている 堀田隆一『hellog』の「#378. 語用論は言語理論の基本構成部門か否かにも」でも以下のように述べている 当然TRPGでもそういったことは注意しなければ発生する。次のような技能を考える。 「銃を撃った時に使用できる」 この文は二通りの意味で解釈できる。 1. 「銃を用いて射撃するとき」 2.「何かしらかの射撃武

          TRPGの記述の曖昧性

          お前が銃と弾持ってふざけたから押さえ込んでんだ

          引用リツイートを見ると、この文の解釈も2つに割れている。 「銃と弾持ってふざけたから」が、 戦場で命中した程度で浮かれているようでは危険である、と 銃持った状態でハイタッチしたら味方を射撃してしまう恐れがある である。 銃座から離れてはしゃいでいて、『体罰じゃねえからなあ。お前が銃と弾持ってふざけたから押さえ込んでんだ』 が言えるのなら、前者であろう

          お前が銃と弾持ってふざけたから押さえ込んでんだ

          新京成ラッピング電車

          このポスト、ほとんどの引用リツイートなどが過激なフェミニズムが~などと称賛しているが、この文章絶望的に意味がわからなない。 肝心なのは「▷」の使い方がよくわからないのである。 最初2つの の部分は「クレームを受けた→動画削除」の意味だと推察できるのだが、後半2つは バス運行がクレームでNGになっているのに、1年間運行しているので、状況が矛盾している。間の2文を出してみると これだと、動画削除をしたが、その後クラファンが行われた、の意味に読み取れる。 このポストの問題点

          新京成ラッピング電車

          フィルターを定期的に綺麗にする

          シュフーズの「実はあまり洗えていない『洗濯機のダメな使い方』5選…無駄になっている行動やコツとは?」という記事 「実はあまり洗えていない『洗濯機のダメな使い方』5選」があるのだが、 1.洗剤を多めに投入して洗濯する 2.洗濯物を許容量以上に詰め込む 3.節水モード・「すすぎ1回」で洗濯 4.フィルターを定期的に綺麗にする 5.洗濯槽を定期的に洗浄していない とある。1,2,3,5は「やってはいけないこと」なの4だけやったほうがいいことで、何をしたほうがいいのかわかりにくい

          フィルターを定期的に綺麗にする

          役不足

          この2文を考える 「新人の」が発言の中にあるか否かの違いであるが、この二文の明確の違いは、 前者は「役不足」を誤用の意味でか取ることができないが、後者はや役不足を誤用の意味でも正しい意味でも取ることができることである。 正しい意味で取ろうとした場合、前者は「新人の」と与えられた役が不当に低いことが矛盾してしまうが、 後者の場合、「新人が不遜にも舐めたような仕事を与えられていると思っている」という意味で解釈することもできる。

          掛け算の順序ある派は読解力があるのか

          積分定数氏のこのポストが話題になっている。 このポストに対して、 8人「で」4リットルのジュースを分けると1人何リットル? 問題文が曖昧なのがよくないな。 など無意味で読解力のないポストが散見される。 問題文が曖昧である、ということは複数のことに解釈できるということだ。 つまりこの問いは、 ・4リットルのジュースを8人で分ける。4÷8=0.5リットル ・4リットルのジュースを8人に与える。4リットル の2つに解釈できる。ここで元のポストを読み返そう。 誤答には8÷4=

          掛け算の順序ある派は読解力があるのか

          古谷降板させた女

          読んでいてよく意味がわからなかった文面を収集して行こうと思う。 まずは一個目。 当然のことながら、古谷徹が云々はどうでもいい。この文面で肝心なのは、「二毛作」の意味がわからないことだ。 この文面には項目が3つある。 ・古谷に言い寄って既婚なのを知った上で良い思いして ・それでいて文春に駆け込んで金貰って ・最終的に古谷が担当したキャラ全殺しにして にも関わらず「二毛作」と表現されると、数字が合わないのだ。 これは、「二毛作」のニが、「2」ではなく「2以上」の利益を得てい

          古谷降板させた女

          「でした」の意味がわからない

          本を読んでいて、「◯◯でした」の意味がわからなくなった。 きっかけは鈴木孝夫, 『日本語は国際語になりうるか: 対外言語戦略論』, 講談社 ,1995を読んでいた時のこと。 この本は2の『日本語は日本人だけのものなのか』(中央公論連載)が「だ・である」であるのに、3の『文明史的観点から見た日本語の国際化』(国際交流連載)が「ですます」である。また、この「ですます調」も Aはこれこれこうである。Bはhogehogeな理由でfugafugaである。したがってAのほうが優先度が高

          「でした」の意味がわからない