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想いを繋げ想いを育み 魂を込めた場をつくる 

「魂でつくる家づくりの本質」

家づくりの現場に携わる中で、私は一つのことを強く感じています。それは、家が完成するのは、打ち合わせの会場でもなく、ビルダーの会社でもないということ。実際に家が形を成すのは、現場です。そして、現場には大工さんや職人さんがいます。彼らの手によって、図面だけでは決して成し得ない家が築かれるのです。

図面はあくまで計画であり、実際に形になるためには大工さんの腕と心が必要です。設計図があるだけで家が完成するわけではありません。住まいは、大工さんや職人さんの手を通して生まれ、その技術と想いによって本物の家となります。そして、その家にはお施主様の「熱い心」が込められています。しかし、問題はここからです。

お施主様の想いが熱いものなら、大工さんもまた、家を作るプロとしてその熱い想いを持って現場に臨んでいます。では、その間に立つ営業や設計士はどうでしょうか?同じように熱い心で家づくりに取り組んでいるでしょうか?それとも、どこか本心を隠し、ただ業務として進めているのでしょうか?

もし、家づくりに関わる全員が、お施主様や大工さんと同じ想いを共有できていないのであれば、その住まいづくりの場として本当に良いものと言えるのでしょうか?家づくりは、ただのビジネスの取引ではありません。それは、魂を込めて作り上げるものです。大工さんが家をつくる際に感じる「魂でつくる」という表現が、まさにその本質を捉えているのです。

家づくりには、想いをシンクロさせることが不可欠です。現場で大工さんたちが動く日に至るまで、その想いをつなげ、シンクロさせることが、真の家づくりに携わる者の責任であり、礼儀です。

家づくりの「サービス」とは

契約後のサービスは、「何かあれば引き渡し後でもお知らせください」という言葉だけで終わるものではありません。ハウスメーカーや工務店であれば、他の部署の人々と想いを共有し、着工へと繋げることが大切です。着工後も、現場で何が起こるかに関心を持ち、お施主様とシンクロした想いを持って、大工さんや職人さんとのコミュニケーションを取り、家が完成するまでその想いを育んでいくのです。

家づくりの打ち合わせ段階での重要なミッションは、単に契約を取り、売上を目指すことではありません。お施主様の想いと設計者、営業、そして大工さんの想いをシンクロさせることこそが、成功する家づくりの鍵です。シンクロした想いは、小さなきっかけから生まれ、徐々に大きな力となって家という形を成していきます。そしてそれは、家づくりというプロジェクトのゴールではありません。

家が完成した瞬間から、お施主様の新たな暮らしが始まります。シンクロした想いは、その暮らしを豊かにするために、常に意識され続けなければならないのです。

私の想い、そして今

私は、家づくりの現場に立つ者として、今、このシンクロをどう実現するかに苦悩しています。しかし、それと同時に確信しています。この想いを持つことで、幸せな住まいを提供できる人々を増やせる方法がここにあるのだと。

私の目指す家づくりは、住まいがただの「商品」ではなく、魂を込めた「場」であること。それは、お施主様と大工さん、設計士や営業、そして職人さんたちの心が一つに繋がった時に初めて成り立つものです。現場で織りなされるこの「想いのシンクロ」が、私にとって、そして家を建てる全ての人にとって理想の住まいづくりです。

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