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師と弟子が醸し出す空間の妙…
先日は私の茶道の、お稽古納めでした。来年早々の初釜でお点前を披露するお弟子さんたちで、教室はいつもより混雑。待ち時間が長くなったが、おっしょさんの配慮で茶室の中で他のお弟子さんのお点前を見学させていただきました。真相は控えの間でのおしゃべりを封じて、さらに大の男にウロウロされても目障り、と言うところだろう。
見学のお点前は、男性の「唐物」を二人、女性の濃茶の2回目と台天目を一人づつ都合四回。一回のお点前が15分くらいだから、約一時間座っていた。だだ、幸か不幸か袴を付けていたので、時折あぐらをかいたりし、礼の時は正座をしてなんとか乗り切った。
見学して、あらためて茶の湯が醸し出す空気感を堪能させていただいた。
今回の見学で一番の収穫は、お弟子さんによって師匠と弟子が醸し出す空気感がガラリと変わるということを、目の当たりにしたことである。
例えば、茶入が大切な中国製の物を使う「唐物」のお点前で、男性が二人続いたときのことである。
一人目は30歳台半ば。まだ初めて一年余りのヒヨッコの私が批評するのもおこがましいのですが……。
「唐物」、一人目の男性のお点前は一応こなしているものの、わちゃわちゃしていて落ち着きがなく、せっかくの「唐物」のお点前がママゴトの様になっていた。
次は40歳台前半の男性。唐物の茶入に茶杓を当ててしまったミスはあったが、なかなか良かった。動きそのものの美しさや優雅さはさて置き、特に師匠と弟子の二人が醸し出す空気感が、良かった。弟子の適度な緊張感と、それを見守る師匠の目配りは、畳二畳あまりの空間に心地よい緊張感を作り出し、絵も言えぬ空間を演出していた。それは、授けるところの師、受けるところの弟子の気持ちが一つになって作り出されるものなのだろう、と感じた。
さて、脚の痺れも限界に達した頃、私のお点前の番である。稽古納めは「貴人点て薄茶点前」。
まあ、これは説明しなくても、それなりに終了しましたので。うーん、たとえば……。
お点前の手順を間違えて、
「あっ」
「うん? カゲロウさん。今のあっは、何ですか?」
「えっ? 感嘆符❗️です」
「そう…」
てな、調子。
同じ師匠なのに弟子が違うと、こうも空気感が違うのか、とよく分かりました。
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