お茶室でデジャブー=既視感
世の中に、あっても不思議じゃない事の一つに、思わぬ場所で同じ社中の人に出会う事。当然、ありうる。ただ、そうなる事を一切、想定していなかった。そのため思いもかけない場所で、突然、
「ごきげんよう」
と挨拶されて、その時はまさか俺に言ってる? と惑って挨拶を返せなかった。だだ、声のした方へ視線を向けて訝しげな表情を浮かべた私に、彼女は微笑んでいた。そこにいた女性は、最近配置転換で移動してきた女性だった。しかし、私に「ごきげんよう」と声をかけてきたからには、同じ茶道教室に通う兄