無謀よね、カゲロウさんは!
美人で厳しくて、愛情細やかな師匠に、
「無謀よね、カゲロウさんは。でも、そこがあなたの良さだけど」
そう言われて私は、リアクションに困った。
どうして師匠にそう言われたのか、事の次第を説明しよう。
教室の大きなお茶会が、迫っていた。私は友人3人を連れて参加することになった。だだ、3人とも茶道の経験がない。そこで、3人のためにプチお茶会を開いてあげようと考えた。さっそく、貸し茶室を探して予約を入れた。席入りから床間の拝見、点前座の拝見をして、自分の席につく。あと、主菓子の食べ方、濃茶のいただき方、干菓子のいただき方、などなど上げるとキリがない。
さらに借りたお茶室は公営なので、道具を持ち込まなくてはいけない。このお道具の準備も大ゴトになるとは、予測できなかった。その上、古い日本家屋の茶室なので、砂埃などが吹きこんでいて、掃除をしないと使えない。
まさに、冷静になって考えると無謀としか思えない事をしようとしていることに、今になって気付かされた。
まだ、今なら引き返すことも可能である。心が千々に乱れる。
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