歴史に埋もれていた人物を浮き彫りにすることは、すごく魅力的だ!
安部龍太郎は、長谷川等伯を題材にした「等伯」を執筆するにあたって、五年前から準備に取り組んでいた。等伯の生まれ育った能登の七尾市を訪れ、資料を集め、また、彼が生きた痕跡を求め、主人公の思考の手がかりとなるものを集め歩いた。
そんな中で安部は、等伯とは違う人々にも興味を抱き、一つのことに思い至ったという。
「男たちに取って戦乱に巻き込まれることは、覚悟の上での事。しかし、女や子どもにとっては、不運な出来事でしか無い。そんな状況の中でも、健気に生きていく彼女たち、彼らたちの姿