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閉鎖病棟への入院

私は今車で"とある場所"に連れられている。そう、精神病院である。私は今日から入院することになった。ー10月10日…。診察室のカレンダーを見ながら呟いた。入院なんてしたくない。学校を休むなんて…。と考えていると先生が入ってきた。「あなたは今日から入院です。」分かってはいるが、その言葉を聞くことが辛い。「先生、私は入院したくありません。」そう言うしかなかった。何かの間違いで入院しなくて済むのではないか、そう思った。「では、医療保護入院ということで。」そうして入院が決まった。親と別れて私は病棟へ向かった。

私の症状は幻覚と希死念慮であった。外に出ると「車に飛び込め」などが聴こえ、段々と学校へ行くのも辛くなっていた。常にカッターを持ち歩き、何かあれば自傷行為をしていた。そしてついに入院となった。ー病棟に着くと病衣に着替えさせられた。身軽だか何だか落ち着かない。本当に入院なのだなと思い知らされて。「K(私)さん、ちょっといいですか。持ち物の確認をお願いします。」看護師さんに呼ばれた。どうやらすべての持ち物に名前のシールを貼るらしい。少し面倒だが仕方ないなと思った。もちろん刃物などは駄目だが、袋も駄目だと知り驚いた。考えてみれば危ないか、日常のものの中でどれだけの危険が潜んでいるのかと考えてしまう。

その後すぐに昼ごはんであった。秋刀魚の蒲焼き…。あまりにも美味しくてビックリした。カリッとしていてうまい。入院してすぐに食事が楽しみになった。コロナ対策で4日間は部屋から出てはいけないらしい。 急に何も無い環境になって、暇だなぁと感じた。誰かと喋ることができるわけでもないし…。とりあえず持ってきた参考書でも読んでいることにした。ーこうして私の入院生活が始まった。

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