知らないあなたを知りたいと思った日から数えて何度目かの春が来て
あなたについて何もそういや何も知らないな
昔どうしたなんて話は
なるべく聞きたくなくはないんだけどあなたはどうやら別みたい
僕が知りたいのはねあなたが幸せだったこと だけどあなたの傷跡に向き合わなければ見えないあなたもいることを知ったいまは 悲しい話もあなたが話してくれるのを待つよ
知らないあなたを知りたいと思った日から数えて何度目かの春が来て
窓の外の川沿いには満開の八重桜が咲いている
綺麗だな あなたとこうしてあと何度見れるだろうか
何度も見よう 春が来るたびにこの桜は去年とは少しだけ 違って見えるよ
写真を撮ろう あの一番綺麗に咲き誇る 桜の前で 来年もまたこの場所で写真を撮ろう そうして今はひとりこの桜の前で流れる川を見つめている
川面に流れる花びらに あなたを重ねてる 行かないでと呟いた 遠ざかる花びらは 僕にはあなたに見えたよ
写真を撮ろう ひとりでもあなたの思い出を抱いたまま 綺麗な桜は今年も川沿いに咲いているよ
君にも 見えるかな。
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