振り返ると「家にいなさい」よりも「外に出なさい」の苦痛のほうがはるかに大きかった
人生を振り返ると「家にいなさい」よりも「外に出なさい」の苦痛のほうがはるかに大きかった。子どものころは「おそとであそぶ」のが奨励されていたし、大学生になってさえも、留学先の下宿のオーナーにたびたび言われた。「あなたよく家にいるね。もったいない。もっと外に出なきゃ」
外に出なさい。それは「世界に出なさい」と同義だった。世界。これが世界なのか。子ども時代の外遊びはほとんどマウント合戦だった。階段の何段目から飛び降りれるか。信号無視ギリギリのタイミングで横断歩道を走り抜け