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「外貨を稼ぐ=英語」という風潮で誤解されがちなこと
人口減少と円安によって、
「外貨を稼ぐ」という言葉、その必要性が浸透しつつある中、「英語を学びたい」と口にする人も増えています。
しかし個人的には、短絡的に「外貨を稼ぐ=言語」と紐付けられる風潮に対して、非常に違和感を感じています。
ここでは起業を含めて3年間、海外経験した実体験を含めて、
「外貨を稼ぐ」ための「英語」について、独断と偏見でお伝えできればと思います。
※全ての海外進出パターンを書いているわけではありません。下記の切り口に限定しています。
・「組織として」ではなく「個人として」稼ぐ
・「稼げたら何でも良い」ではなく「自分の強みを活かして、自分らしい価値を生み出す」
・「インバウンド」ではなく「出稼ぎ、輸出系」
1.言語が上達しやすい人、しにくい人
言語はシンプルで、喋れば喋るほど上達します。
よって、自分が普段からどれだけ喋るかによって、伸ばし方も違います。
(1)会話や雑談が好きな人
話すこと自体が好きなタイプ、長い雑談でも楽しめるタイプは、英語環境に行けば自然と話すので、いつの間にか伸びていたりします。
私がいた海外オフィスでも、話すのが好きで口が一生動いている人は、総じて英語しゃべれていた印象があります。
そんな方は、英語を使う空間(English Communityなど)に行ってみると良いと思います。
(2)会話や雑談が好きではない/どちらでもない人
私はこちらのタイプ。
内向的で口数少なく、考えるのが好きな人は、目的のない話をしたり、雑談するのが苦痛だったりします。
私自身、現地のEnglish Community(英語を話したい人が集まって、カフェで話す)に週2-3日ペースで行っていましたが、最初は新鮮で楽しくても、途中から苦痛になっていきました。
英語で話すものの、雑談をする空間だったからです。
話し好きではないタイプは、英語を話す「目的」を正しく意識して、
寄り道せず「仕事で英語を使い、仕事で成果を出す」ことに向き合うのが良いでしょう。
2.言語学習のおすすめルート
仕事として「外貨を稼ぐ」という目的があるなら、「最初から」仕事を通して英語力を上げていくルートをおすすめします。
私は社会人2年目に海外オフィスに異動しましたが、直前まで海外など考えておらず、練習や準備も一切していませんでした。
#海外行くから退職すると言ったら、海外オフィスのお話をいただいた
#海外に行くことすら、直前に思い立った
海外オフィスに放り込まれた初日、
向かいの席の現地スタッフと話したいのに、あまりに言葉が出てこず。
仕方なく文章を考えて下書きして、それをアワアワしながら読み上げるしかなかった。。。
#受験英語マジで役に立たねぇ
その後ほどなく、商談も英語ですることになりました。
社内から社外へと、階段を1段ずつ登りながらも、圧倒的絶望orzの日々が続きます。
そんな生活を1年続けて振り返ると、だいたいどの国籍の人とも商談していて、
その後ご縁が繋がって新規事業が生まれ、自分で作ったホヤホヤなプロジェクトを持って独立していく流れになりました。
そもそも、旅行者のような価値受益者と、プロとしてお金をいただく価値提供者に求められる英語レベルは、天と地ほどの差があります。
使う単語がそもそも違うし、ミスコミュニケーションによるトラブルを防ぐために、言葉の正確性も求められます。
ただでさえ勇気がいる割に、最初は「絶対に」うまくいかないことが保証されています。
#安心の絶望保証
この不遇が確定している期間を、いかに乗り切るか。
言葉が全然出てこないし、相手の母国語で訛った英語は聞き取りにくい(英語話者人口の80%は非ネイティブ)。
お客さんに怒られることもあり、相手が帰った後のカフェで放心状態を極め、1時間椅子から立ち上がれなかった時もありました。
#根が生えた
結局、自分が痛みを伴ってアウトプットしたものしか身につきません。
「何かを学びたいなら、お金を払って学ぶのではなく、お金をもらいながら学べ」
ストレスかかりながら、なんとか乗り切る。
「成果を出すことに集中した結果、いつの間にか英語が身についていた」というのが理想的な構図だと思います。
目的が「外貨を稼ぐこと」なのであれば。
感覚的ですが、「学ぼう」としているうちは、どうしてもモチベーションの数割が受身になってしまいます。
3.言語以前にやることがある
ここまで、英語を「使う」話をしてきました。
しかし前提として「そもそも英語を使って、何がしたいのか」
ここが定まっていない人は、言語以前にやることがあります。
私は新卒2年目に「海外で働きたい」「営業をやりたい」と思って飛びこみましたが、
「それがなぜなのか」という根本のモチベーションの出所が非常に浅かった。
自分が勝負したい領域、方向性、業界も定まっていませんでした。
独立後も、なんとも煮え切らない感じがしていて、
プロジェクトがひと段落したタイミングで、結局帰国することを決めました。
当時は収益安定する別案件の話をいただいていた分、惜しい気持ちはありました。
しかし「仕事の方向性」のほうが遥かに大事で、場所がどこか(国内か海外か)なんて、すんごく枝葉で些末なことだと気づきました。
いくら英語を鍛えても、根本的な目的の強度が弱ければ(腹落ちしていなければ)、いつか情熱が枯渇して、やる気が出なくなります。
4.「なぜ海外なのか?」を突き詰めた結果、場所はどうでもよかった
今の日本を全体像で見ると、確かに明るいニュースはありません。
しかしそれは国レベルの話であって、いち個人でみると、全く関係ありません。
国が衰退フェーズにあっても、伸びる人は伸びます。稼ぐ人はどこでも稼ぎます。
逆も然り。
国が成長しているからといって、個人が成長するとは限りません。
国を変えただけで、自分の内面(情熱や動機づけ)が深まるわけではありません。
ここで「ワーホリの落とし穴」をご紹介。
「とりあえず英語を話せるようになりたい」と思って移住し、異文化の刺激に触れ、外国人の友人を作り、楽しく生活します。
1-2年が経過して滞在期限が迫った時、「さあ、これからどうしよう?」という現実に直面。
結局、時間だけ経って、ワーホリ前の現実に逆戻りします。
これでは、自分の「人生」が前に進んでいない感じがします。
本心は、英語を使って「何かをしたい」はずなのに、
その「何か」が定まっていないと、結局また振り出しに戻ってしまいます。
#ワーホリの罠
こうして人材会社の海外オフィスでは、
ワーホリ終了後に「とりあえず引き続き海外で働きたい」という求職者が一定数、本質的な課題から目を背けるかのごとく訪れてきます。
そもそも雇用される場合、
「海外」という条件をつけるだけで、選択肢はグッと狭まるため、仕事そのものの条件を緩めることは致し方ありません。
しかしその分、仕事そのものの方向性と納得感が犠牲になりやすい。
#人生が前に進むかどうか
ということで、「外貨を稼ぐ」ことを考える前に、まずやるべきは
① 自分自身を深く理解すること(自己理解の解像度)
② 7年単位で持続可能な「収入の柱」を見出しておくこと(精神的な納得感、腹落ち感がカギ。長期的に考え「たい」かどうか)
それまでは、
・国内でも海外でも大差ない
・むしろ選択肢の幅が多い国内の方が有利
というのが私の実感です。
「彼を知り、己を知れば、百戦殆からず」
情報が溢れる現代では、むしろ自己理解のほうが足りていません。
結論を一言で言えば、
「外貨を稼ぐには、前提条件があるよ。まずは国内で結果を出そう」
「今の自分のまま国を変える、みたいな小手先をいじるよりも、価値を生むことを突き詰めよう」
でした。
#一言になってませんすいません