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経済は世界史から学べ! 茂木 誠
本書は経済をより深く理解するために、歴史、つまり「物事の成り立ちから学ぶ」とアプローチをとったもの
第1章 お金(1) 円・ドル・ユーロの成り立ち
なぜ、1万円札には「1万円の価値」があるのか? 他
第2章 お金(2) 世界経済と国際通貨
狂乱の時代ー日本のバブルはなぜ起こった? 他
第3章 貿易 経済の自由化
180年前のイギリスでい起こったTPP問題 他
第4章 金融 投資とバブル
世界初のバブルはチューリップの球根から 他
第5章 財政 国家とお金
桓武天皇、頼朝、義満、信長、秀吉。財政から見た日本史 他
・お金の始まり、信用とお金の関係、インフレについて
・ドル、円、ユーロの歴史
・金融政策と暗殺は繋がっている!?
→リンカーン・ケネディ・高橋是清
→通貨発行権を国が管理するとインフレが起きやすい
・ギリシャ危機で大儲けした国がドイツ
→ユーロ安により輸出でボロ儲け
・幕末から明治にかけて、政府が銀本位制から金本位制に移行できた
→日本という国があり続けられた
・ポンドが国際通貨の時代もあった
・第一世界大戦で金融の中心は、ロンドンのシティからアメリカのウォール街へ
・アメリカが強くなったのは、2つの世界大戦のおかげ
→軍事物資の支給で利益を出し、各国の債権を保有していたため
・戦後、日本が復興できたのは、固定相場制「1ドル=360円」のおかげ
私達は、結果を求めすぎて、そこまでに至るプロセスを蔑ろにしすぎているんだと気づかせられました
歴史を学ぶ、知るということは、プロセスを知るということ
上記に抜粋してこと以外にも、歴史を読み解けば、新たな発見や同じことが繰り返されていることがわかりました。
金本位制を停止すると第一世界大戦や(1914〜1918)やニクソンショック(1971年)が起きる
日本のバブルもどのように起こったかわかりやすく解説されています。
プラザ合意が発端だったとは!!
また、日本で起こっていたバブルやヘッジファンドとの攻防戦が、アジア通貨の危機(タイ・インドネシア・韓国)やサブプライム問題(アメリカ)に影響しているとは知りませんでした
発展途上国が先進工業国に転換する過程においては、保護主義の採用が効果的であることもわかりました(アメリカ・ドイツ・日本の例)
しかし、行き過ぎた保護主義は2度の世界大戦を引き起こす引き金にもなっています(第1次世界大戦、第2次世界大戦)
前回の地理と同様に歴史も私達が生きていく上で非常に重要かつ密接なものです
経済がこんなにも地理や歴史と関わりが大きいとは、驚きでした
学生時代にこのような勉強を進められたら、もっと地理や歴史に興味が持てる人も増えるだろうし、なにより経済やお金のことも学べます
学生時代は、経済やお金に対して学ぶ機会が非常に少なかったと思います
自分の子ども達世代には、地理や歴史を入り口に経済、お金の勉強の機会が増えていけるような時代にしたいです。
そのためにも、発信し続けることが大切ですね
とても面白い内容でした