【原神考察】セイライ島のひみつのたからばこ。「響」と「寝子」の物語
セイライ島とは稲妻の南東に位置する島。
この雷雲に包まれた人の住めぬ島の一角に不思議な神社がありました。
その神社を守るのは猫の寝子。そして寝子は「響」が帰ってくるのをずっと待っています。
しかし、寝子の連続世界任務をクリアしても結局「響」が何者かということは最後まで語られることはありません。
このセイライ島に何が起きたのか?「響」とは誰なのでしょうか?
浅瀬神社の「代理宮司」
稲妻に訪れた旅人は冒険者協会からの依頼でこの島に来ることになります。
このセイライ島をどれだけ回っても住民は一人も住んでおらず、旅人が出会うのは宝を狙った宝盗団と一時的に訪れている冒険者たちだけ。
しかし、そんな中で唯一雷雲に包まれていない不思議な神社があります。
神社だけは雷雲に覆われていない
その神社にいたのは、なんと人間ではなく猫でした。
猫の寝子様は自らを「代理宮司」と言い、「響」という人物が本当の宮司で自分はその代わりをしているだけだと言います。
この神社にいた、響と百目鬼はセイライ島に突然大きな雷が降り注いできてからいなくなってしまったそうです。
しかし、寝子は響は必ず神社に帰ってくると信じています。
そして、響が帰ってきたときに神社がボロボロだと悲しむだろうからと、寝子は旅人に神社を充実させるための様々な要望を毎日依頼します。
賽銭箱を補修したり絵馬掛けを修理したり、猫用のご飯を用意したり・・・日々の要望を叶えていくうちに寝子は色々なことを教えてくれますが、どれも響にまつわることばかり。寝子がどれだけ響のことが好きなのかが伝わってきます。
また、寝子は一人の猫に「昆布丸」という名前をつけています。
これはたまに響が口にする言葉でその表情からしてきっといい物に違いないということでした。
しかし、旅人がどれほど要望を叶えても響も百目鬼も帰ってくる様子はなく、そもそもセイライ島そのものに人がおらず、どうも寝子が言ってることの不自然さを感じる旅人たち。
この響、そして百目鬼という人物は今どこで何をしているのでしょうか。昆布丸とはいったい何なのでしょうか?
話は500年以上過去に遡ります。
☆警告☆
以下の内容は決して、浅瀬神社の代理宮司の寝子に語ってはならない。
本件については特級の秘匿文書とする。
繰り返す。以下の内容は決して、浅瀬神社の代理宮司の寝子に語ってはならない。
浅瀬神社の見習い響
500年以上前のセイライ島はまだ雷雲に包まれていませんでした。
浅瀬神社の跡取りである浅瀬響は幼いころに鳴神大社に「巫女見習い」として出向し、そこで雷電将軍の友であったという妖狐の狐斎宮に仕えて巫女の勉強をすることとなります。
雷電将軍と狐斎宮様
そこで、響は天狗の小姓として働かされていた高嶺という武士の子と出会います。
高嶺は武家の出で、高貴な生まれでした。
あるとき彼が山を歩いていると、偶然にも影向大天狗と出会い賭けをすることになりました。
天狗「私が勝てばお前のたくましい肉体を存分に使わせてもらう」
高嶺「俺が勝てばお前が将軍から賜った弓をもらうぞ」
どうでもいいですが、影向大天狗って女性のはずですけど、若く強い肉体を賭けて勝負って色々と問題大有りじゃないですかね。
かくして賭けは一進一退の攻防となり結局引き分けてしまう。
高嶺は唯一無二の弓(☆5武器:飛雷の鳴弦)を手に入れましたが、代わりに大天狗は高嶺の肉体を存分に使うことに・・・使うって小姓としてってことですよ?誰ですかいけない想像をした人は(まあ小姓自体の意味もry)
それはともかく、天狗の小姓となった高嶺は弓術を仕込まれ、さらに「昆布丸」などという訳のわからぬあだ名をつけられてしまいます。
さて、響と高嶺(昆布丸)はまだ幼くじっぱりで素直になれませんでしたが、面倒見の良い響といい加減で賭け事の好きな高嶺はウマがあい、お互いに惹かれあうものを感じていました。
しかし、成長して少女が女になるときのころ、狐斎宮は何かを考えこむようになり、ふさぎ込むことが増えてきます。
記憶を失うことを恐れていたので「摩耗」の日が近づいていたのかもしれません。
だが響もまだ若い盛り。
昆布丸の話をすると、綺麗な狐斎宮様にちょっかいをだされたらどうしようと心配するような初心の乙女でした。
また大人になっても二人は逢引きを続けており、紺田村で地狐に追憶のレンズを使うと当時の二人の会話を聞くことができます。
高嶺の結婚・・・そして
響も高嶺もやがては大人になります。
高嶺は成長し、剣術や弓術の優れた腕前を見込まれて将軍家の旗本として抜擢されることになり、さらに雷電将軍直々に名刀「霧切」を授かります。これは一度折れてしまいますが、打ち直されたものが後の世に「霧切の廻光(☆5武器)」として伝わることになります。
また、この霧切で無数の妖魔や祟り神を切ったことから後世には「霧切高嶺」の名で唄われるようになりました。
しかし、彼は響とは結婚しませんでした。
地狐に残された言葉から分かるように、高嶺は高貴な生まれで、かつ将軍家の旗本に推挙された身です。
自由な結婚など望むことのできない身の上でした。
しかし、それでも響と高嶺は相変わらず逢引きをし、賭け事をしては喧嘩三昧で響を困らせたりと何かことあるごとに彼女の元に通い、天狗の弓を彼女に教えていたりもしていました。
運命の転機点・・・「漆黒の軍隊」襲来
しかし、そのような二人の関係についに終わりが来る日がきました。
ある出来事が稲妻全土を揺るがします。
「漆黒の軍隊」が海から襲来したのです。
高嶺は武家としての責務を果たさねばならなかった。
将軍家の旗本として国を守らねばならなかった。
そして高嶺は響とともに最後の「賭け」をします。
必ず戦から生きてお前のもとに帰ってくると言い、響に飛雷の鳴弦を預けた。
俺が負けたらこの弓をやろう。だけど、もし俺が賭けに勝ったら・・・
そういって、高嶺は漆黒の軍隊との戦いに赴きました。
戦いは激しく、安全な場所はほとんどありません。
響は陰陽師の惟神晴之介とともに地下に避難し戦いの趨勢を見守っていました。
唐突に出てきた晴之介とは、花散里から依頼された神櫻の穢れを取り払う連続世界任務中に「謎の男性」として登場した陰陽師。狸の五百蔵を封印したのも彼です。
漆黒の軍隊との戦いは稲妻全土を揺るがす激しいものでした。
鬼の千代は漆黒の意思に飲まれて将軍に反逆し成敗される。
狐斎宮は漆黒の深淵に飲み込まれてしまう。
影向大天狗は狐斎宮を守れなかった自責の念から娘を捨てて失踪した。
晴之介は悲しみに耐え切れず稲妻を出て行ってしまった。
そして、高嶺は・・・漆黒の軍勢と対峙し、霧のようにわいてくる敵を自慢の剣技で切り倒し続けたが、彼の想いほど刀は強靭ではなく「霧切」は折れてしまう。
もしも・・・響に弓を掛け金として渡さなかったら違う結果もあったかもしれないが、博打打ちに「もしも」はない。彼は、俺は絶対に浅瀬のもとに帰るのだと自分に言い聞かせながら漆黒の濃霧に飲み込まれた。
誰しもが何かを失ったあの「漆黒の軍隊」との戦いも、いつしか終わりを告げます。
そして稲妻に平穏が戻り、時が経ち・・・響は老境の折にさしかかっていました。
ある日響が社に顔を出すと、なんとそこには「高嶺」の姿があったのです。
高嶺は絶対に響の元に帰るという約束を果たすために深淵から「帰って」きました。
足をひきずり・・・その身が怪物となったとしても・・・。
血の乾ききった漆黒の瞳に光が差したとき、高嶺の目は響の矢で貫かれた。
こうして運命の再開を果たした二人の約束は終わりを告げました。
そして、また時が経つ・・・。
再び浅瀬神社へ
老いた響は浅瀬神社の宮司として日々の務めを果たしていました。
のちに大海賊と呼ばれることになる赤穂百目鬼左衛門やその相棒の蛇目もこのときは神社の手習い小僧です。
二人を眺めながら猫の寝子はのんびり穏やかに響のご飯を食べながら過ごしていました。
神社の修繕は越石村の住民が行っており、神社には猫の形をした石や札が残っていることから、もともと猫神社として有名だったのかもしれません。
セイライ島の浅瀬神社は怨霊「雷音権現」を1000年前に封印していますが、その封印は定期的にゆるむようで、その都度響が再封印を行っています。
さて、成長した赤穂百目鬼は海賊として名を馳せることになります。稲妻全土を荒らしまわり、10を超える艦隊を率いた百目鬼は当然ながら幕府と反目することになりました。
しかし、官軍は強く百目鬼はセイライ島まで退去させられます。
そして官軍はセイライ島に押し寄せてきました。
大量の官軍が迫りくる中、成長した百目鬼は響を戦場に出さないように叫びます。
「女は邪魔だから下がれ」という百目鬼の口調とわざとらしく後ろを振り向く姿は響の目には高嶺の姿が重なって見えました。。
もし・・・もしもあの戦争がなければ・・・。
もしも・・・二人に子供ができていたら、今頃左衛門ぐらいの年齢だったかもしれない。
こんどこそ何をしてでも「この人」を死なせないと誓った響は、天狗に習った法術を使って1000年の封印を解き、怨念に満ち溢れた雷音権現をセイライ島に顕現させてしまいます。
封印の解かれた雷音権現はその雷を以って幕府軍を撃退しましたが、その代償として響は帰らぬ人となってしまいました。
最初に寝子が言った、「大きな雷が降り注いだ」とはこの雷音権現が解き放たれた瞬間のことだったのです。
そして、雷を封印する人間がいなくなったセイライ島は500年もの間、雷雲に包まれ人の住めぬ島となってしまいました。
500年後(現在)
響が帰らぬ人となっても、寝子はずっと響を待ち続け、彼女のために神社を守ってきました。
いつの日か響が帰ってきて、いつものように甘えさせて美味しいご飯を作ってくれることを信じているのです。
それからある時、異世界の旅人がセイライ島に足を踏み入れました。
旅人は寝子の様々な願いを叶え、最後には神社に寝子の石像ができました。
寝子が自分の形をした石を作らせたのは、響が迷子になった時に自分の石像があれば迷わずに帰ってこれると思ったからです。
また、響は寝子の石像があれば「良いこと」が起きると語っていました。
そして、寝子の石像ができたとき、雲中に猫の姿が浮かびます。
寝子はこれが響の仕業であり、「良いこと」とは響や百目鬼や蛇目が帰ってくることだと思い喜びます。
これから浅瀬神社には人が押しかけてきて、大賑わいは間違いないと喜びながら寝子はその準備のために立ち去っていきました。
寝子は知らない。響が絶対に帰ってくることはないことを。
寝子は知らない。セイライ島を壊滅させ人を住めぬ地にしてしまった元凶が一体誰なのかを・・・。
それはきっと知る必要のないことだからだ。
追加任務「鳴神追跡」(4/4追記)
寝子の連続任務をクリア後に、寝子関連の依頼任務(デイリー)が複数追加されます。
これを複数回クリアすることで、寝子から追加世界任務「鳴神追跡」を受領できるようになります。
寝子は、いつまで経っても響が帰ってこないのは、何か用事があるのではないかと思い立ちます。
だとすれば、こちらから響を探しに行けば会えるのではないかということでした。
寝子によると、響は「狐の木がある神社」の話をしており、そこに滞在していたそうです。
つまり、鳴神神社に行けば、響に会えるのではないかということでした。
旅人とパイモンは寝子を連れて神社に向かうと、そこま浅瀬神社と違う沢山の人々で賑わっていました。
しかし、肝心の響の姿は見当たりません。
そこで神社の巫女である稲葉蛍美に響という人物を知っているかというと、彼女はとても驚いた様子を見せます。
それによると、浅瀬響はかつてこの影向山において影向大天狗から法術を学んだ、「影向役者三人衆」の一人だということです。
残りの二人は、Ver.2.2でクローズアップさせた「式大将」の主である惟神晴之介や、雷電将軍お供でありながら漆黒に汚染され反逆した御輿家の長正がいます。
そして、かつて雷音権現の封印を解除した「天狗の法術」はこの時に学んだものであることが分かります。
蛍美によると彼女たちは4.500年前の書物に記された人物だということでした。
そのことに驚く旅人とパイモンですが、寝子は年月のことを聞いてもピンとこず、とにかく響のことを知りたいということでした。
しかし、4,500年前の話ということは当然もはや響は・・・。
旅人はことに真実に気が付き、響の居場所を聞こうとする寝子の言葉を遮り、「ただここにはいない」と告げることだけが精一杯でした。
神社から離れると、慣れない長旅に疲れた寝子は浅瀬神社に戻ると言います。
浅瀬神社は、やはり自分という代理宮司が守り響を待つ必要があるのだと。
寝子は今日も変わらずに響を待ち続けます。
いつまでも、いつまでも・・・。
その様子に旅人は何も答えることはできませんでした。
いくつかの考察
・寝子の正体
響が500年前の人物なので、当然寝子も500歳(前後)ということになります。
寝子の依頼で食事を調達すると、寝子は「自分にはもう食事は必要ない」と言います。
しかし食事自体は可能なこと、体が透けたりはしていない(原神の幽霊は半透明)ことから、正体は化け猫でしょう(尾は一つしかないので猫又ではない)。
日本の怪談では年経た猫が更に長生きすると化け猫になると言われているので、寝子もその類ですね。
・浅瀬神社の謎
旅人は雷雲を再封印しましたが、それは完全な封印ではないようです。
稲妻こそ止まったものの雷音権現は健在で、セイライ島は今でも雷雲に包まれています。
しかし、浅瀬神社だけは決して雷雲が来ることがなく常に晴れ模様です。
寝子曰く、「この神社は元々封印のために作られた」ということなので何か特別な結界が張られているもかもしれません。
・赤穂百目鬼左衛門のその後
百目鬼はセイライ島での戦いで雷に討たれて死亡したと思われていますが、実際は戦いの後も生き伸びています。
彼のその後については☆4武器「漁獲」で語られており、再び海賊を集めて、「外の世界を見たかった」という響の願いを叶えるために大航海に旅立っていきました。
・赤穂海賊団と金リンゴ群島
赤穂海賊団は、金リンゴ群島に流れ着いています。
金リンゴ群島は、モンドと璃月の人々が暮らしていたところに、稲妻の赤穂海賊団が難破して合流しましたが、この中には赤穂百目鬼自身もいたようです。
木の板に残された「俺の船」という書き方から、これを書いたのは百目鬼親分自身でしょう。
また、赤穂海賊団は魔儡剣鬼も持ち出していましたが、漁獲の記載によると赤穂親分直々に分捕ったもののようです。
流れ着いたタイミングは明確にはされていませんが、幕府との戦闘後でかつ船がボロボロになっているので、雷音権現の顕現により吹き飛ばされた結果この地に辿り着いたのではないかなと思っています。
それだと、セイライ島の戦いで彼が姿を消したことも説明がつくので。
その後金リンゴ群島から無事に脱出して漁獲の武器物語に繋がると思われます。
・セイライ島の住民
住むことが不可能になったセイライ島の住民は、以後幕府により稲妻城へ移住することになりました。
この移住に関しての理由は子孫にも伏せられているようですが、住民からすればわざわざ幕府に反逆したという過去を伝える理由もないので黙っているのだと思います。
また、稲妻城に住む藤原俊子はセイライ島の海賊の末裔で、先祖が残した「一枚の写真」という宝を手に入れましたが、この写真は見せてもらえず謎のままであり、今後の追加クエストが期待されます。
・赤穂百目鬼左衛門は高嶺の子どもか?
左衛門の背中と高嶺が重なって見えたことから、二人の血縁を匂わす気もしますが、武家の旗本の子がセイライ島の神社にいるのも考えにくく、霧切の廻光の説明文に、「秘剣霧切は継承されず」とあることから、恐らく高嶺に子供はいません。
偶然似ていただけの可能性が高そうです。