千年の田んぼ/石井里津子著
2017年12月、一冊の本が発売されました。石井里津子さんによる「千年の田んぼ」という本です(旬報社)。この本は2018年度の中学校青少年読書感想文コンクールの課題図書にもなりました。石井さんは、日本中の農村を取材して回られている農村取材のエキスパートです。その石井さんが実際に何度も見島を訪問され、取材を重ね、歴史をたどり、一冊に纏めたものが「千年の田んぼ」です。
本の内容には深く触れませんが、見島出身者である私でもあまりよく知らなかった事も書かれており、たいへん勉強になる内容でした。発売当時、同級生の間でも連絡網が回ってくるほど話題になり、私もすぐに購入して読みました。八町八反の存続危機もですが、島を離れた自分に何か出来ることはないだろうか、と考えるきっかけにもなった本です。
見島に今も残る、千年以上前の田んぼ。そこでつくられたお米を、私は今でも食べています。島を離れた後も、見島のお米をずっと食べ続けています。ありがたいことに、親元を離れてからお米を買ったことは一度しかありません。その一度は無洗米が発売された時。お米を洗わずに食べても美味しいのだろうか?と思って買ってみたと母に伝えると、笑われたのを覚えています。見島のお米を食べ続けているからか、魚がメインの島で育ったからなのか、滅多に風邪もひかず、大病もせずに元気に過ごしています。八町八反でつくられるお米のおかげで私の身体は生きています。
見島のことを知っている人にも、知らない人にも、ぜひ読んで頂きたい一冊です。
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国境の島に、古代の謎を追いかけて
[おもな目次]
はじめに 1300年前の田んぼ
謎その① 不思議な三角ため池
謎その② お米づくりと「八町八反」
謎その③ 八町八反開田の謎
謎その④ 誰が、八町八反を作ったのか
おわりに 1300年の希望