【詩歌】望郷の詩
望郷の詩
海を見た こんな夕焼けを背に
君も同じ光景を 見ているのだろうか
波のように 押し寄せる
この感情を 何と呼ぶべきか
独りぼっち 気づけば十年
繋がりが 消えたような気がして
いつか見た あの日の夕焼け
今でも 覚えてるというのに
海よ 母なる海よ
郷は遠く 君も遠く
今年もまた 織姫と彦星
会えなかった
山を見た こんな夜空を背に
母も同じコトを 思っていたのだろうか
風が虚を 吹くように
枯木は僕を 嗤っているようだ
生きる意味を 失い三年
悲しみの 涙すら枯れ果てた
あの冬を 境に
二度と 諭されることもない
山よ 偉大な山よ
郷は遠く 母も遠く
空に光る 夜空の星々よ
どうか導いて
帰りたい けど帰れない
愛する人の待つ市
叶わなかった母の帰郷
つらい くるしい ひとりはさみしい
そう 心が折れそうになりながらも
遠雷のように 僕は叫び続ける
まだ 生きている
ここで 生きている
ずっと 生きている
だから 待っていてほしい と
郷よ 愛する人よ
郷は遠く 心も遠く
ああ会いたい 故郷の君と母に
いつか会う日まで
ずっと待っていて
僕も元気でいるから
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