【ブログ】偶帳・冬雪抄 号外『彩の旅(同人誌版)/仙台コミケ275』

偶帳・冬雪抄

号外『彩の旅(同人誌版)/仙台コミケ275』

○はじめに

 仙台コミケおつかれさまでした。カガリも参戦しておりました。弊サークル『spectrum』の同人誌をご購入いただき、ありがとうございます。今後も、よろしくお願いします。

 前置きになりますが、実は、弊サークル内では第五人格がド流行りしており、前回の仙台コミケ終了後、メンバーのうちの一人であるたつがやっていたのを見て、僕も始めたのですよ。『spectrum』は主にDiscord上で活動しているサークルなので、こういった遠距離で出来るゲームには強いのです。いやぁ、協調性が僕にはないので、サバイバーマジで向いてねぇなと思いました。たつは僕にハンターである『漁師』を薦めてくれて、それまでずっとピエロでぶん殴ってたんですが、意外と操作が大変ですね。今は、漁師を使いながら、キーガンと魔女の練習中です。
 spectrumのメンバーで遊ぶときはサバイバーになることが多くて、カウボーイと航空エンジニアを使いはじめたのですが、難しいですね。

 さて、ここからは恒例の裏話タイムです。
 本書のあとがきにいろいろ書きましたが、ページ数の関係でいろいろ書けなかったこともたくさんあるので、ちまちまと裏話をしていきたいと思います。

○彩の旅について

彩の旅(上)表紙 (©︎Kagari Nagamasa/Spectrum)
彩の旅(上)裏表紙 (©︎Kagari Nagamasa/Spectrum)

 今回頒布したのは、『彩の旅』という伝奇ファンタジー紀行小説です。元々、ここのnoteに掲載していたネット小説なのですが、星の大海の頒布を機に、こちらも正式に紙媒体としてカタチにしたいなと思ったのがきっかけでした。あとがきにも書きましたが、note版の彩の旅は些か設定にガバがありまして。数年ぶりに読み返しても「そうはならんやろ」と思うような描写ばかりでした。
 なので、章単位でもう一度見つめなおして、何を書きたかったのかを再構成し、必要なところはリライトした結果、思った以上に文字数が膨れ上がってしまいました。大体原稿用紙三〇〇枚くらいです。spectrumのメンバーにこの話をしたら「バカじゃないのww」って言われました。

 見どころは【領事裁判権】が用語集の一番最後にあることです。こんな単語を作中に引っ張ってきた自分に対しての叱責のつもりでもありました。「なにしてんの?」みたいな。何しろ今まで学んできたことを小説に織り込むのが好きなものでして。いつしか習ったことを自分の解釈でアウトプットするのがものすごく得意なのです。

 世界観的には、切り絵のようにバラバラになった世界を旅している……となっていますが、わかりづらいのでここで少し解説します。
 簡単に言ってしまえば、このブログを読んでいる皆さんの隣の町が消えて、「もしも織田信長が生きていたら……」の世界の江戸が現れた! みたいな感じです。そして、その隣は「もしもナポレオンが生きていたら……」のパリみたいな。そういう並行世界の一部分がでたらめに張り付けられたような状態です。その並行世界の欠片が【境界域】です。境界域の中は、気候もすべて無視している上に、その地域特有の物理法則が働くため、境界域を跨ぐときは注意しなければならないのです。

 彩の旅は序章、終章、断章を除いて、全七章構成です。それぞれの章には、それぞれのテーマに即した国があります。まさに、多様性の時代ですね。ちなみに、このブログを書いている現在、僕は四章と五章を飛ばして、六章を執筆しています。本当に何やってるんですかね僕。
 表紙及び裏表紙は、前回の星の大海に引き続き、僕が担当しました。あとがきにも書きましたが、この表紙を飾ってる少女はヴァリです。下に咲いている花は、サルビアの花です。
 裏表紙でヴァリの隣にいるのがシエロです。彼の場合は、描くのが本当に大変でした。旧デザインや、カラーリングでやってもあまりしっくりくるものではなかったので、この際なのでメンバーに相談しながら一新しました。
 基本的にスマホで絵を描いているので画風が荒れていますが、次の新作では板タブを使用できるようになったので、きっちり綺麗なイラストを提供できるように頑張りたいと思います。
 皆さんにはこの二人はどんな関係に見えますか?

 この話の主人公はシエロではなく、ヴァリです。彩の旅というタイトルの『彩』と、フレーバーテキストの『愚者』はヴァリのことを指しています。つまり、この物語の本質は『シエロが手紙を届ける旅』ではなく、『手紙を届けるシエロについていくヴァリの旅』ということです。

 エルダーの内容はnote版と比較して大きく内容を変更しております。note版のエルダーだと、少々描写が不足していたのと、結局何が言いたかったのか分からなかったので、一から執筆いたしました。意識した文化圏はアイヌ文化です。アイヌ文化がモデルになっているだけで実際のアイヌ文化はエルダーのような文化圏ではありません。あくまでもフィクションです。

 ヴェンツの内容も後半部分を変えてます。描きたいことは基本的に変わっていませんでしたので。微妙な誤字脱字と、戦闘描写関連のテコ入れを行いました。戦闘描写が本当に苦手です。ヴァリの必殺技であるあれは、もともと設定には存在していましたが、設定してあっただけで特に登場する機会もなかったので、せっかくなので織り込んでみました。
 ちなみに、『残雪剣・燕返し』の動作としては、対象を中心に円を描くように疾走→そこから方向を変えて対象に突進→突然対象の視界から消える(背後まで一瞬で跳躍)→ぐるっと回って背後から刺突攻撃。みたいな感じです。

 断章Ⅰの内容は、大幅に内容を変更しております。すごい端的に言ってしまうと、シエロとヴァリの出会いの物語なのですが、少し補足をします。まず、ヴァリはブリテンで生まれた人間で、当時の年齢は約十歳程度です。彼女がダーリントンで働いている理由は、物心がつく前に、妖精にさらわれてしまったからです。何しろ、エインセルの怒りとかいう感染病が妖精の間でものすごく流行していますから、若くて強い労働力が欲しかったのでしょう。あそこではヴァリがダーリントンの宿屋で働いていると描写されていますが、実態としては、スコットランドとイングランドの境界付近の子どもは妖精にさらわれて労働力にされることはしばしばあったようです。シエロの本性といいますか、何を考えているのかが垣間見える回ですが、シエロの行動理念は基本的にこのブリテンを旅立ってから現在にかけて、ずっと一貫しています。note版の断章Ⅰはちょっとネタバレって言うくらい喋りすぎているので、現在は非公開にしています。

 第三章は本来はループリンという名前だったのですが、あまりにもテーマ性に欠けるので没にし、その代わりZIPANGを新たに書き下ろしました。ZIPANGは初期設定では第五章に持ってくる予定だったのですが、ループリンのメッセージ性がやや弱めだったので、やむなく没にしました。
 あの……本当は書けていたんですよ第三章。
 ちなみに、もし第三章を収録していたら、ページ数は340ページほどになっていたことでしょう。

彩の旅 表紙案1 初稿ラフ

 表紙没案1です。アナログで描いたので、線画や頭の大きさが噛み合っていません。ま、あとで直せばええかみたいな。上のマル太は太陽のことですね。あまりにもシンプルで情報がなさすぎるので、描いてスキャンをかけた時点で没にしました。

彩の旅 表紙案2 ラフver.3

 表紙の没案2ですね。
 左側が少し寂しかったので、没にしました。本当は、夕日にしたかったのですが、夕日はすでに星の大海で使用してしまったので、今回は星空にしました。ケープと上半身の描写がうまくいかなかったのもあります。

彩の旅 表紙案3 決定ラフ
表紙 完成

 決定稿のラフですね。腰回りの線がちょっとおかしいことになっていますが、厚塗りで修正しました。許して()

 さて、先ほども明かしましたが、彩の旅の第三章のタイトルは『未達教育境界域 ZIPANG』です。エリアは日本ですが、こちらもちょこっと事情が異なるようで……。
 カガリの作品を追っかけてきてくださっている皆さんが「あっ!」と思うような要素を織り込む予定ですので、楽しみにしていてください。

◯サークルカットについて

spectrumのサークルカット(仙台コミケ275)

 今回のサークルカットを書いてくれたのは弊サークルのメンバーである鷲ワシも(X:Wasiwasimo_6666)です。僕の監修のもと、ヴァリを描いていただきました。基本自分のキャラクターを誰かに描いていただくことは初めてでしたので、新鮮でしたね。カラーリングを一新したのもあって、どんな色をしているのか、どんな性格をしているのか、描くにあたってどのようなこだわりがあるのか、すべてかなえてくれました。
 鷲ワシも君に感謝です。

○今後について

 今後の活動ですが、学業に専念するため、やや消極的になります。今まで通りの活動とメンバーのサポートができなくなるのを見越して、本日をもちましてspectrumの代表を一旦降り、後続は短編小説『月光』を書いた抹茶君に代表をしていただくことになりました。僕は就活や卒論、そして実習等の合間を縫って作品を仕上げたり、メンバーが活動しやすい環境を整える裏方に回ります。

 でも創作をやめるつもりはありません。
 皆さんが楽しめるコンテンツをこれからもずっと発信していきたいなと思っています。
 X(旧Twitter)の方で、最新情報を公開してますので、よかったら@spectrum0808をフォローしていただけると嬉しいです。
 spectrumに対するお問い合わせは下記にお願いします。これからも応援の程、よろしくお願いします。

カガリ

お問い合わせ先

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