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第二量子化を波動関数の量子化だと思ってる方へ

場の理論を昭和の教科書で学んで、
量子力学のシュレーディンガ方程式と
シュレーディンガ場(=非相対論のスカラー場)の方程式
であるシュレーディンガ方程式
とを同じと思ったり、
場のxyz(パラメータ)と、位置表示の波動関数のxyz(物理量)
との違いがわからなかったり、
シュレーディンガ方程式は、量子力学の方程式
クライン-ゴルドン方程式やディラック方程式は場の理論
の方程式であると思っている方は、以下をお読み下さい。
量子力学(非相対論的)
  粒子(個数が固定)を量子化したものです。
  波動関数は、物理量qの固有空間への射影演算子|q><q|を用いて
  ψ(q)|q> = |q><q|ψ> のψ(q)として定義されます。
  単にシュレーディンガ方程式の解ではありません。
  測定によって、非ユニタリな発展もしますし、
  物理量qの正準共役量pの波動関数は、必ずψ(q)のフーリエ変換
  に発展します(ハミルトニアンに無関係です)
  位置xyz 表示のシュレーディンガ方程式や波動関数の
  基本変数は、物理量xyzとその正準共役量です。
相対論的量子力学 
  ①とほぼ同じですが、シュレーディンガ方程式の代わりに
  クライン-ゴルドン方程式と、それを線形化(1次微分にした)
  ディラック方程式があり、これらは波動関数に働きます。
  相対論的場の量子論は、場の理論にまだ「繰り込み処方」がない
  (場の理論の計算が多くの場合∞になった)頃、使われたもので、
  多くの問題があり、今は歴史的意味しかないです。
相対論的場の量子論
  
場を量子化したものです。
  基本変数は、場であり、xyzはパラメータです(物理量ではない)
  場は「場の方程式」に従います(その解です)
  ・スカラー場は、クライン-ゴルドン方程式
  ・スピノル場は、ディラック方程式
  ・ベクトル場は、ベクトルポテンシャルの方程式
  に従います。
  シュレーディンガ場(非相対論的スカラー場)では、
  「場の方程式」であるシュレーディンガ方程式
  に従うというだけす。

追記

シュレーディンガ場の「場の量子化」では、
「波動関数は、(第二量子化する前の)シュレーディンガ場ではないか?」
という意見が2,3ありました。
波動関数=<x|ψ> を計算すると、シュレーディンガ場(量子化前)と
確かに一致します。
つまり、場の理論で、(ここでは、位置xyz をxで代表させます)
|1(x)>を「x の位置に1個粒子がある状態」とすると
一般に「kに1個粒子がある状態」は、a†(k)|0> = |k> なので、
|1(x)>=| x>
< x” | x> = δ(x-x”)
全空間中に1個粒子がある状態 |1>=∫dx' |1(x')>=∫dx' | x'>
量子化前のシュレーディンガ場を f(x’) とすると(この x’ は位置座標)
|1>=∫dx' f(x’) |1(x')>=∫dx' f(x’) | x'>
f(x’)=<x' |1>
一方、量子力学では、
|ψ>=∫dx ψ(x) |x>
波動関数<x|ψ>=ψ(x) ですが、|ψ>を全空間中に1個粒子がある状態
とも言えるので、
場の理論でのシュレーディンガ場(量子化前)
f(x’)=<x' |1>
に一致します。(x=x'なので)

しかし、波動関数ψ(x) は、
状態ベクトルの「xの固有空間への射影」で定義される:
ψ(x)|x> = |x><x|ψ> =ψ(x) |x>
であり、ψ(x) のxは、位置ベクトルの固有値です。
一方、3次元空間のシュレーディンガ場 f(x')の x' は
位置を指定するパラメータであって、値は一致しますが
x の固有ベクトルの固有値ではありません。

 シュレーディンガ場の第二量子化であっても、
「波動関数は、シュレーディンガ場ではない」
です//

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