【デカフェのつくりかた】超臨界二酸化炭素抽出法
こんにちは、カフリの山本です!
今回はデカフェのつくりかた第2段「超臨界二酸化炭素式抽出法」についてお話ししていきます。
(第1段ではウォータープロセスについてお話ししていますのでこちらも合わせてご覧ください!)
超臨界二酸化炭素式抽出法とは?
超臨界二酸化炭素式抽出法は比較的新しいカフェイン抽出法で
CO2メソッドと呼ばれることもあります。
名前だけ見ると難しい感じがするかもしれませんが、
近年注目されているカフェイン抽出法です。
最近ではスターバックスリザーブのデカフェなども
この方式を採用しているようです。
ウォータープロセス同様薬品を使うことなく、
二酸化炭素と水のみでカフェインを抽出するため
安全なカフェインレスコーヒーを作ることが可能です。
超臨界流体とは?
このカフェイン抽出法について語るにあたり、
まずはあまり聞き馴染みのない「超臨界流体」とは何なのか
簡単に説明したいと思います。
まず、超臨界状態にある物質を超臨界流体といいます。
超臨界流体とは、物質の温度と圧力をかけて臨界点以上にした状態です。
(臨界点・・・気体と液体が共存できる限界の温度と圧力)
つまり、気体でも液体でも固体でもない、特別な状態になります。
超臨界流体の特徴を簡単にいうと……
気体の性質(拡散性)と液体の性質(溶解性)のいいとこ取りで、
対象の性質を連続して大幅に変化できるという特長があります。
CO2によるカフェインの抽出とメリット
超臨界二酸化炭素式抽出法のカフェイン抽出メソッドは
その名の通り超臨界流体となった二酸化炭素を
コーヒー生豆に吹き付けることでカフェインのみを抽出します。
このカフェインの抽出法において、以下のメリットが挙げられます。
・薬品を使用しない
二酸化炭素と水のみを使用する抽出法のため、
ケミカルフリーであると言えます。
二酸化炭素そのものも無毒ですので、
安心して口に入れることができます。
・少量から生産可能
二酸化炭素は温度31.1℃、圧力7.38MPaで超臨界状態となり、
比較的作り出しやすい条件であると言えます。
工場のような壮大な設備でなくても、少量から生産可能です。
・抽出量をコントロールできる
超臨界状態の二酸化炭素は圧力や温度を調整すると
流体の密度をコントロールすることで物質の溶解度が変化します。
つまり、取り出す(残す)カフェイン量を調整することが可能です。
例えば、30%だけカフェインを残す低カフェインコーヒーを
作り出すことが理論上可能な技術であると言えます。
・エコでクリーン
この抽出法で使用する二酸化炭素は工場などから排出された
高純度の二酸化炭素を回収、生成して用いるため、
地球上の二酸化炭素を増やさずに利用します。
さらに、使用後の二酸化炭素は自然と期待になりますので
後処理ににより環境負荷も少ないです。
また、排出される二酸化炭素は
自然の大気中に含まれるものと同様、無毒です。
*参考:
日本光文ウェブサイト:超臨界流体の基礎
https://www.jasco.co.jp/jpn/technique/internet-seminar/sf/sf1.html
https://secure01.blue.shared-
日本食品光学会誌 Vol.21 超臨界流体の食品・飲料への応用
server.net/www.jsfe.jp/journal/kaiho/21/2101/k4.pdf
カフェイン抽出以外にも使われている!
超臨界二酸化炭素式抽出法は
カフェインの除去以外にも、様々な用途で用いられています。
例えば食品であれば香りやうまみ成分、ビタミンなど
素材からの天然成分として取り出すことが可能です。
サプリメントや薬にも用いることができます。
私たちは意外と身近なところで
超臨界二酸化炭素抽出法の恩恵に預かっているのかも知れません。
美味しくて安心安全な食品や薬品が増えて
私たちの生活を豊かにしてくれているということですね。
科学技術って素晴らしい!
まとめ
科学の進歩により、
安全でおいしいデカフェ原料がたくさん生産されています。
当然のことながらコーヒーは生豆原料のままでは飲めず、
適切な焙煎・抽出をすることでその美味しさを味わうことができます。
カフリらしい、美味しいデカフェをお届けできるよう
生豆の仕入れから焙煎までこだわっていますので、
気になる商品があればぜひ試してみてくださいね!
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