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ランナーがランニングシューズを履くべき理由

ランニング時に足にかかる負荷は体重の約3倍と言われています。例えば、体重50kgの人は約150kgもの重さが足にかかります。この時、着地の衝撃を和らげるのは、足のクッション性とシューズのクッション性です。

今回は、この衝撃を吸収する2つのクッション性について考察することで、ランナーがランニングシューズを履くべき理由を考えていきます。

2つのクッション性とは

「足のクッション性」とは、着地の瞬間に、足部の細かな関節が反射的に連動し、その力(重力)を分散させる足の機能です。

「シューズのクッション性」は、そのままの意味で、ソール部分の厚さや素材によって着地の瞬間の衝撃を和らげます。

結論から言いますと、ランナーがランニングシューズを履くべき理由は、ランニングシューズがランニングの負荷が計算した形に設計されており、この2つのクッション性を活かすことが出来るからだと僕は考えています。

足のクッション性を活かしながら、シューズのクッション性を活かす

人間の足には片足26個もの骨が複雑に配置され、それに伴い多くの関節が存在します。それぞれの関節は縦・横・前後・回旋方向に微妙に動きます。レオナルド・ダ・ヴィンチが『足は人間工学上、最大の傑作であり、そしてまた最高の芸術作品である。』と述べた通り、人間の足は精巧かつ複雑に設計されています。

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ランニングという動作は、接地の瞬間に反射的に体重移動することで、それらの関節が上手く力を分散させています。これは、そもそも人間の足に備わった機能と言えます。

また、『BORN TO RUN 走るために生まれた』という本の中では、この足のクッション性を最大限に高めて走る、タラウマラ族が紹介されています。彼らは広大な土の道(オフロード)をほとんど素足に近いサンダルでなんと百キロ以上走るそうです。凄まじいですよね。。

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しかし、現実的に日本ではそのような広大な土の道を日常的に走ることは不可能です。

余談にはなりますが、ケニアやエチオピアのトップランナーのランニングフォームが効率的で美しい最大の理由は、幼い時から広大な土の道を走ることで、「足のクッション性」を使うことを本能的に知っているからだと個人的には考えています。(あるいはそれがDNAに組み込まれているのかもしれません。)

現に、日本の実業団に所属する外国人選手が硬いアスファルトでジョギングすることを極端に嫌っている、とよく聞きます。彼らは、アスファルトを走るには「足のクッション性」だけでは衝撃を分散しきれず、自分のしなやかな走りが損なわれることを本能的に感じているのではないでしょうか。

だとするならば、日本人が彼らに追いつくためには、日本に広大なオフロード(クロスカントリーや平坦な土の道)で走れる環境を作り、ジュニア期から常にそこでランニングを行うことが重要なのではないか、と思ったりします。

話が逸れましたが、日本でアスファルトの道を走る際には「足のクッション性」を活かしながら、「シューズのクッション性」にある程度頼ることが必要になります。

シューズのクッション性を活かしながら、足のクッション性を活かす

しかし、「シューズのクッション性」に頼り過ぎて「足のクッション性」が疎かになっては結果的にケガに繋がります。

特に初心者ランナーの方は、普段ランニングシューズを履き慣れていない為(あるいはランニングシューズ以外のシューズを履いている為)、ランニング時に「足のクッション性」が十分に機能していないことが考えられます。

おそらく、初心者ランナーの足のイメージってこんな感じだと思うんです。

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でも実際には、先述した通り、人間の足には微細な機能がたくさん搭載されています。

つまり、人間はある意味ガンダムを超えているんです。

ちなみに僕はジオングが好きです!(聞いてない)

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(あ、足がない………)


話は大分逸れましたが、、、笑

ランニング時、この「足のクッション性」が十分に機能しない場合、着地の瞬間に「衝撃に備えろ!」という脳の防御反応が働き、シューズのクッションに頼って、力を分散させる接地時間を長くしようとします。そうなると自然とカカトからの接地になります。

しかし、カカト接地にするためには、重心を下げて、本来の接地位置よりも前側に接地しなければならなくなります。そうすると、初心者ランナーが陥りがちな「腰が引けたランニングフォーム」の出来上がりです。そのようなフォームでは結果的に膝に負担がかかり、ケガの原因となります。

「じゃあ、つま先接地を意識すればいいのか」と思われるかもしれませんが、決してそんなことはなく、「無意識的につま先接地になる」ことが重要なんです。基本的には重心位置を高くする必要があるのですが、まずランニング初心者の方々は「足を回す」意識を持つのが良いと思います。あとは走りながら感覚を掴み、慣れるしかありません。慣れれば自然と「足のクッション性」の機能が高まっていくはずです。

つまり、「シューズのクッション性」を活かしながらも「足のクッション性」を高めることを忘れてはいけないということです。だからこそ、特に初心者ランナーはランニングシューズを履くべきだと僕は思います。

まとめ

以上、「走る時にはランニングシューズを履きましょう」という当たり前のことをお伝えしてきた訳ですが、初心者ランナーの方々の中には一体どんなシューズを選んだらいいか分からないという方もいらっしゃると思います。

そんな場合はクッション性と安定性に優れたランニングシューズを選ばれることをオススメします。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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