価値観を揺さぶられる書『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章』
グーテンターク!皆さまこんにちは。フランクフルトのYokoです。今日は年末年始のお料理に使った残りを在庫一掃セールでグラタンに。美味しくいただきました。😁
新年は歴史の本から読んでみようと今週からやや分厚い本にチャレンジしました。
読み始めるとすぐひきこまれ、ドイツ関連の話も多くて、今の世界情勢や、日本のこと、不安をかきたてるニュース、SNSの匿名で有名・無名に関わらず意見が違えば、ターゲットに罵詈雑言を浴びせる人たちは本当に「性善説で説明可能なのか?」色々な想いがよぎる中読みました。
著者のルトガー・ブレグマンが挑むテーマは壮大です。すなわち人類の性質は、悪なのか、善なのか。独自取材によって心理学の定説を覆す丹念な取材や調査により「人類の本質は善である」との結論を導きます。さらに、なぜ様々なデータや身近な例があるにも関わらず冷笑的な人間観が社会に染み込んでいるのか、自身は寛大な行動をとるし、身の回りの人もそうであると信じているのに距離のある別の人々に対しては暗い見方に囚われてしまうのか、そこから抜け出すには何が必要なのか、著者は様々な事例や研究を引用しながら思考を深めていきます。あるときはその考えに驚き、納得し、あるときは戸惑い、反証事例をたっぷりと思い浮かべながら懐疑的に読み進めました。単なる理想主義の主張ではなく、険しい道だと思いながらも「希望」の余白を感じる本で新年から良い本を読んだと満足です。また読み返してゆっくり消化したいです。途中まで読んでそのままの『サピエンス全史』を読んで自らの感想を比較してもいいかも、なんて思っています。
下巻最後に書かれている著者があげる人生の指針とすべき10のルールも活用して、
自らの考えや行動に偏りや思い込みがないのか、省みるきっかけにしたいと思いました。
以下は目次と人生の10のルールです。
何かご興味あるキーワードがあれば是非読んでみてくださいね!
上巻
序章 第二次大戦下、人々はどう行動したか
第1章 あたらしい現実主義
第2章 本当の「蝿の王」
Part 1 自然の状態(ホッブズの性悪説 VS ルソーの性善説)
第3章 ホモ・パピーの台頭
第4章 マーシャル大佐と銃を撃たない兵士たち
第5章 文明の呪い
第6章 イースター島の謎
Part 2 アウシュヴィッツ以降
第7章 「スタンフォード監獄実験」は本当か
第8章 「ミルグラムの電気ショック実験」は本当か
第9章 キティの死
下巻
Part 3 善人が悪人になる理由
第10章 共感はいかにして人の目を塞ぐか
第11章 権力はいかにして腐敗するか
第12章 啓蒙主義が取り違えたもの
Part 4 新たなリアリズム
第13章 内なるモチベーションの力
第14章 ホモ・ルーデンス
第15章 民主主義は、こんなふうに見える
Part 5 もう一方の頬を
第16章 テロリストとお茶を飲む
第17章 憎しみ、不正、偏見を防ぐ最善策
第18章 兵士が塹壕から出るとき
エピローグ 人生の指針とすべき10のルール
ブレグマンさんのインタビュー
本の内容は壮大なテーマなのでやはり軽くしか触れられていませんが、より日本、日本人、日本の若者、ビジネスパーソンに引き寄せた内容なのと、ご本人自らの説明なので聴いていて(ヴィーガンのところはあまり共感しませんが)非常に面白かったです!この動画の前編を聞いてすぐ本を買い、2023年の読み始めとなりました。
次はこれを読もうと思います。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
Bis dann! Tschüss! ビスダン、チュース!(ではまた〜)😊