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ある晴れの日に〜ラム肉で作るアイリッシュシチュー

グーテンターク!皆さまこんにちは。フランクフルトのYokoです。今日は夜までは晴天で気温も高く穏やかな一日でした。実家の母とお話をしてから散歩へ。

近所の公園では黄葉も綺麗です。

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ふと見上げると最近できたらしい鳥の巣箱を見つけました。立地も家の作りもかなりの優良物件に思えるのですが一時不在か空き家かな誰もいませんでした。お出かけかな?

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屋根には針金でカラスや鳩避けがあり、至れり尽くせりいたれりです。ドイツ人は鳥の家もやっぱり頑丈に、きっちりと作るなぁと妙に感心しました(笑)

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地面はまだ青々としていて落ち葉とのコントラストが綺麗です。色とりどりで大きさも違う葉っぱを見比べながら散歩しました。

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写真には写っていませんが、公園はまあまあの人出でした。子どもさんを遊ばせるファミリー、芝生に横になってのんびりするカップル、ウォーキングにランニング、サイクリング、ベンチで佇み通行人を見つめる人、読書する人、犬の散歩、親子でサッカーなど思い思いに過ごしていました。

家に入る前に重要任務を遂行するよしおさん。

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今日はアイリッシュシチューを作ってみました。よしおさんもそうですが私もラム肉が大好きなので。スパイスはマドラスカレーパウダー、セイボリー(Bohnenkraut/ボーネンクラウト)、カイエンペッパー、キャラウェイ(Kümmel/キュンメル) です。

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お肉少なめで根野菜やキャベツなどの野菜を多く使います。そしてジャガイモが欠かせません。

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パセリがちょっと大きすぎましたが、出来上がりです。

ちょっぴりスパイシーで身体も温まります。

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よしおさんの本日の赤ワインは

仏ブルゴーニュ、モレ・サン・ドニ 2013(ピノ・ノワール) です。

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このアイルランドのシチューですが、18世紀から19世紀の「貧しい人々の料理」が元になっていると言われています。ラム肉ではなく固めのマトン肉を長く煮込み野菜とジャガイモを煮込みました。

支配階級を除いて当時欧州のどの国でも殆どの庶民は「貧しい人々」それが現在の家庭料理に受け継がれています。家庭料理には派手ではないけれども歴史と文化がつまっているので面白いです。

そしてアイルランドでは度重なる飢饉でこのシチューを食べられない時代もありました。ジャガイモ飢饉です。ジャガイモは当時のアイルランド人のエネルギー源であり主食。それが病気で枯死すると飢饉が起こりますが中でも最悪だったのが1845年から1849年のジャガイモ飢饉です。不作の上にアイルランドの支配階級はスコットランドやイングランドにいるため政治的な対応のまずさが被害を広げたようで死亡と移住で人口が20%から25%減少したと言われています。移住先はアメリカも含まれていて、アメリカの移民史にもジャガイモ飢饉は影響を与えています。

『地図で読むアメリカ』こんな記述がありました。

③ 1820年から1880年 この時期に移民は急増した。はじめはイギリス、アイルランド、ドイツ、フランス、スウェーデンなど西欧、北欧に位置する国々から来た人びとであった。1833年のイギリスでの奴隷制度廃止法の成立によって生じた労働力不足もプル要因となった。また、1845年に起きたアイルランドでのジャガイモ飢饉と1848年のカリフォルニアでの金鉱の発見によるゴールドラッシュが移民急増の引き金となった。金鉱の発見は、西欧、北欧以外のヨーロッパや中国などからも労働者を引きつけた。

アメリカに希望を見出した移民の中には次期米国大統領ジョー・バイデンさんの高祖父のPatrick Blewittさんも含まれます。

パトリックさんは1851年に移住したそうです。The Irish Times のWhat are Joe Biden’s Irish roots? という記事が詳しいです。

アイルランドにお住まいのナオコさんのレポートによりますと現地では23人目のアイルランド系アメリカ大統領となるバイデンさんを「ケネディに次ぐもっともアイリッシュ・アメリカンな大統領」とかなりポジティブに報道している様子。

アメリカに移ってからもBlewitt家は故郷のソウルフード、アイリッシュシチューを食べていたのかな?なんて想像してしまいます。

ちなみに現アメリカ大統領のトランプさんも移民のルーツ。祖父がドイツ出身でフレデリック・トランプ、ドイツ語読みだとフリードリヒ・トルンプ さんといいます。プファルツ州カルシュタット出身。1885年にフレデリックはたった一人でアメリカに渡り人生を切り拓きました。でもドイツ人はトランプファミリーのルーツがカルシュタットにあることについては出来るだけ触れないようスルーしているように見えます。🤫(笑) まあトランプさんも母方のルーツであるスコットランドにはゴルフ場を所有していますが、ドイツに特別の愛着はないようです。前の大統領オバマさんとメルケルさんは非常に近かったこととは対照的で、逆にドイツとは距離を置きました。政治家や外交官ではなく実業家らしい発想でNATO使えねーなと批判したり、米国の駐留軍の一部を撤収したり、彼流にアメリカの国益を追求するアメリカ・ファーストでした。

バイデンさんはオバマ政権時代副大統領でしたので、ドイツ政府としては以前より交渉しやすくなる、かなぁぁ?と希望しているのがドイツ政府やEU高官の希望的観測のようです。

それでは

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

Bis dann! Tschüss! ビスダン、チュース!(ではまた〜)😊


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