踊るSTEM /STEAM教育
21世紀型の教育として注目を浴びているのがSTEM(ステム)教育。日本ではまだ認知度は低めですが、民間企業では取り組みも多く、また自治体でも取り組みを始めるところも増えてきています。
STEM(ステム)教育とはScience(科学), Technology(テクノロジー), Engineering(エンジニアリング), Math(数学)のそれぞれの頭文字をとったもので、科学やテクノロジーがさらに進化してく将来には必要な能力を身につけるためのカリキュラムとしてアメリカで始まりました。要は、単に数学を学ぶだけでなく、教科横断的に学びましょう。アクティブラーニングや体験的な学びを通して学習しましょう、という学習モデルです。
さらに、STEAM(スティーム)教育とは上のSTEMにArt(芸術)を付け加えたもの。実際にテクノロジーの技術を実用的なものにしようと思えば、リベラルアーツの要素は欠かせませんから、実際やってることはこちらの方が実用的かもしれません。(ただ、わざわざArt要素を授業に入れようとすると、難しさは否めないかも)
STEM教育のきっかけとなったオバマ大統領のスピーチはこちらから見られます。
日本でもプログラミングが必修化さたこともあって、STEM教育への関心は高まりつつあり、民間企業でもセミナーやワークショップなど増えてきました。レゴがやってるSTEMのサマープログラムなんて面白そうです。
都道府県レベルでSTEM実施校として指定を受けるところもあります。
学科横断的に取り組むことができる授業が公立高校でも増えてきていることは喜ばしいことです。しかし、日本のSTEM教育についてなんとなく腑に落ちないのは、アメリカでやってることを国内で議論もあまりないままにそのまま持ってきてやろうとしている点。違和感が激しくあります。そして、実際やっている高校を見ても、授業で取り扱うのは実際問題として(入試もあるし)無理があるので、夏休みなどに希望者のみが参加する形で実施するなどほぼ部活動状態のところも多く、実際どうなの?と思ってしまいます。
アクティブラーニングの時もそうですが、実際は言葉に踊らされる感の方が強いなというのが印象。なぜ、STEAMだけそんなに勢いよく始めようとするの!と。なぜ学科横断的に授業を行うのが大事なのか、どのような力をつけさせたいか、いまの授業では何ができていないかなどの議論が先にあればいいのですが。
ここに、STEM教育を学校で導入するにあたり、アメリカのある先生が立てた10の目標を紹介します。STEM教育の目指すものなどのイメージや理解につながれば嬉しいです。
① Technology Integration (テクノロジーを統合的に活用する)
② Collaborative Environment(協働できる環境づくり)
③ Opportunities for Creative Expression (創造的表現ができる機会づくり)
④ Inquiry Based Approach (発問や疑問からの学びを大切にする)
⑤ Justification for Answers (答の正当性を述べられるようにする)
⑥ Writing for Reflection (振り返りを行う)
⑦ Use of a Problem Solving Methodology (課題解決手法を活用する)
⑧ Hands-on Learning (実践的な学びを)
⑨ Teacher as Facilitator(教師はファシリテーターに徹する)
⑩ Transparent Assessment (透明性のある評価を行う)