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国際感覚って何?授業でどうすれば伸びる?

日本の教育界では「国際感覚」を育むという類の表現をすることで英語教育や海外留学プログラムなどを正当化するために使用さえれることがありますが、具体的に国際感覚とはどのようなスキルであったり能力かわかっ使っている場合は少ないのではないでしょうか。

「国際感覚」とは具体的にどのようなものか、チャットGPTに聞いてみました。(以下引用)

「国際感覚」とは、異なる文化や価値観を理解し、尊重する能力や視点を指します。日本においては、特にグローバル化が進んだ現代において、国際感覚が重要視されています。具体的には以下のような要素が含まれます:
異文化理解
他国の文化や習慣、考え方を理解し、自分の文化と比較しながらも尊重できる力。
多様性の受け入れ
異なる国や地域の人々と接する際に、偏見を持たず、さまざまな価値観や生活様式を受け入れる姿勢。
グローバルな視野
日本国内だけでなく、世界全体の問題や動向に目を向け、国際的な視点で物事を考えることができる能力。
言語能力
外国語(特に英語)の習得や、異なる言語を話す人々と効果的にコミュニケーションを取る能力。
国際経験
海外での生活や仕事、旅行などを通じて、実際に他国の文化や社会に触れた経験があることも、国際感覚を養う一環とされます。

日本では、国際感覚を身につけることが、国際的なビジネスや外交、または多文化共生社会において重要だとされています。

ChatGPT

私が、今日この日本で学校現場でよく使われる「国際感覚」という表現に問題提起をしたいのは、英語を含め、外国での様子、社会問題、考え方の違いなどについて「知って」いることはできても、その違いを「尊重して受け入れる」ことができる態度を身につけることは英語を教えたから、海外に旅行や研修に行ったからといって身につくものではないからです。

なぜなら語弊を恐れずに書くと、究極的に日本人の他者(仲間以外)に対する「態度」は排他的で、違いを認めることが下手だからです。また、客観的にみたり、批判的に物事を捉え、それを発信することもうまくありません。外国ではそうなんだな〜、へ〜といった国際感覚を磨いただけでは、実際に受け入れたり、交渉したり、変化をもたらすための進歩が期待できないのです。

日本では生徒は日本人、先生も日本人がほとんどです。外国人児童生徒は急激に増加していますが、高校になると就学率において日本人生徒とのギャップは5割になります。OECD諸国のなかで最大です。(引用:産経新聞)これからますます多様化が進む社会に出て行く生徒たちが、多様性が極めてすくない学校現場で何ができるか。それは英語を今まで通りに教えたり、気休め程度の海外研修に行くことでは到底不十分です。

では何が必要か。

「世界の中の日本人」といったような認識論的なトピックを扱って(例えばこれ)日本人にはどんな特徴があるのか、世界ではどう思われているのか考えてはどうでしょうか。先生も答えを知らなくていいのです。議論することが大切で、それが批判的思考につながります。日本にいると、日本以外の国の人がなにか特異で「異なる」存在のように感じますが、実は世界から見ると日本人だって相当変わっています。

自分の国の「変さ」をどれぐらい我々は知っているでしょうか。

成績に繋がらない授業はしにくいでしょうが、ディスカッションをしたりグループで発表活動をすることもお奨めします。子どもたちが自分で考えた答えを出せる時間を作ること、自分達の日本人らしさについて考える時間を持つことは将来のアイデンティティ形成にとっても重要です。

今はSNSで海外の様子については既に知っている生徒がたくさんいるでしょう。それがどう違うのか、なぜ違うのか、どうして日本人はこうなのか、それについて自分はどう思うのかを考える時間がたくさんあればいいなと思います。

みなさんはどうお考えですか。


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Kae Takaoka
Teachers of Japanではティーチャーアイデンティティ (教師観)の発見を通じて日本の先生方がもっと自分らしく教育活動に専念し本来は多様である「教師」の姿を日本国内外へ発進しています。日本の先生の声をもっと世界へ!サポートいただけたら嬉しいです。