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旅する本は旅する本(冬)
おはようございます。
冬不純黄昏です。
最近、『四畳半神話大系』なるアニメを見ました。
おもしろかったです。
友人に、森見登美彦作品が好きな人がいましてね、彼にすすめられてから気になっていたのをようやっと見た感じですね。
おもしれ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
もしかしてヨ……こんな面白いアニメの原作を書いたってことは、この人の書いた他の小説も面白いのでは?
↓
面白そ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
近いうちに借りますヨ……九井諒子短編漫画集読み終わったら。
さあ、でも別に、アニメ『四畳半神話大系』が初めて触れる森見登美彦作品というわけでもないのですね。
去年の3月ほど、進学を機に引っ越しをしまして、そこからそこそこ歩いたところに個人経営の古本屋がありまして、売っていたのですね。
これが。
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この本は知っていました。
『働かないふたり』という漫画の主人公・守くんが読んでいたからです。(25巻)
ニートである守くんは無限に等しい時間を有しており、そのために読書家の読書欲を思うままに満たすことに金銭を除く一切の障害物がないのです。つまり、本を所持さえしていれば、好きなだけその本を読むことができる。
そんな守くんは、本当に面白い本に出合ったとき、食事とか睡眠とか友人と遊ぶとか他のことは一切忘れて、ひたすらその本を読むことに没頭してしまうのだ!!……ということを描いたエピソードがあり、その中で出てきた本こそ、『熱帯』だったわけです。
そのことを覚えていた私は、古本屋にて『熱帯』を購入。
大学に入って初めて読む本がこういうものなのも、悪くない。
汝にかかわりなきことを語るなかれ――。そんな謎めいた警句から始まる一冊の本『熱帯』。
この本に惹かれ、探し求める作家の森見登美彦氏はある日、奇妙な催し「沈黙読書会」でこの本の秘密を知る女性と出会う。そこで彼女が口にしたセリフ「この本を最後まで読んだ人間はいないんです」、この言葉の真意とは?
秘密を解き明かすべく集結した「学団」メンバーに神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」、鍵を握る飴色のカードボックスと「部屋の中の部屋」……。
幻の本をめぐる冒険はいつしか妄想の大海原を駆けめぐり、謎の源流へ!
つまり、この『熱帯』という小説は、“熱帯”という小説をめぐる物語ってことですね。
『熱帯』の紹介終わり。
では次に、私の『熱帯』を紹介しましょう。
古本屋で買ったということは、自分の前に誰かの手に渡ったことのあるということですから、ということは、つまり、ようは、「私の『熱帯』は他の『熱帯』とは異なる」と言えるわけですね。(そしてそれは全員が全部の商品に関して言える)
例えば、ここに、こういう傷がある。
![](https://assets.st-note.com/img/1716190770093-HN7HK92lp6.jpg?width=1200)
こんな風に、他の『熱帯』とは絶妙に違うわけですな。
![](https://assets.st-note.com/img/1716190781793-YKQPWcyl5W.jpg?width=1200)
裏面はそこそこ綺麗な状態なんですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1716190812799-xCcU5zmudL.jpg?width=1200)
カバーを開くとこうなっている。購入時点で帯があった(私の前の購入者(何人いるかも分からないが、その全員)が、帯を残すタイプの読者である事が分かる)
ちなみに私はこうやって、表紙カバーの裏に帯を差し込んで保管しますけど、みんなはどうしているんだろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1716190939109-52bZVAYivF.jpg?width=1200)
ツルツルの帯は好きじゃ。汚れづらくて気持ちがよい……
![](https://assets.st-note.com/img/1716191073756-RErRZa5zxt.jpg?width=1200)
裏から開くとこんな感じ。何も無い。……ように見えるが、
![](https://assets.st-note.com/img/1716191103356-I8npetMWB5.jpg?width=1200)
よく見ると、古本屋で売られていたときの価格が書かれている。ブックオフみたいな大手チェーン以外の古本屋だと、こんな感じで値段が表示されてるんだね。600円で買えたぜ!1700円の本が600円で買えたって事は…………もしかして1100円も得したってことか!?!!???!
もしここに「600」ではなくて「YES」と書かれていたら、前購入者か古本屋店員がオノヨーコの可能性があったわけだ。
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ちなみに初刷。なんか嬉しいっスよね〜〜
「なんか嬉しい」だけではなくて、他にもいろいろ分かる…というか妄想できることがあります。
初刷で中古に行っているということは、最初の購入者は、この本が発売されてすぐ買った可能性が高い。
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ということは、森見登美彦先生のファンであるとか、発売前から気になっていたとか、期待していたとか、である可能性がある。
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かといって、読んでみたらつまんなかったから古本屋に売ったというわけではないと思う。だっておもろいからこの本。
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ならばなぜ古本屋に売ったのか。それは多分、この『熱帯』という小説の内容が、旅をする本…もとい“古本”と関係のあるものだからだと思う。小説の内容をなぞってみたいから、前購入者はわざと本を手放してみたんじゃないだろうか。
……ここまで考えるのはもはや妄想じみているかもしれないけど。
『熱帯』の内容に関しては、もうほとんど忘れたため、最近また読み返してるっス。ガチオモロっス。“熱帯”と違って、『熱帯』は最後まで読めますよ。
こんな風に、本自体に物語があるわけですな。
旅をするのが内容の本は、旅をしてきた本がいいですよね。エモいから。
これとかも。
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田村書店って、古本も売ってるんすね〜〜
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正直、ジャケ買い。「親のスネかじってるやつがジャケ買いって何言ってだ」って感じですけど、中古で安かったし、それくらいはいいと思うんだで。
多分、『終末少女旅行』の作者様がイラスト担当してる。つくみず先生って書いてたし。イラスト担当に。
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こういう話らしい。そして私は230円で買った。
まだ途中までしか読んでない。まあ、面白い。
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この保管方法が一番帯にとってもいいんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。
というか、古本の、帯ある率って結構高い。本を買うも売るも読書家が多いんですかね。私はそんなに本読まないので心理が分からんが。
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終末世界系の話はそんな好きじゃないんですけどね。暗いから。てかこういう旅って、ウンコとかどーすんの?描写しろ!!
〈ウンコ〉に瞠目せよ。
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古本にこういうのが入ってるの好き〜〜!!
新品の本に入ってても別に捨てるけど、古本に差し込まれてるのは保管してしまう。当時のこととか分かるから。
前購入者さんは、2019年に買ったんだね。
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前購入者さんは2019年8月に買ったんだね。
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ってことは、令和元年(2019年)8月発売のこの本を、発売直後に買ったんだね。前購入者さんは。
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『僕のワンダフル・ジャーニー』って2019年やったんや。もっと前かと思ってたわ。
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裏はこんな感じ。
……おや?
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なるほど、これに載ってたのか。もしかしたら、前購入者さんはこれ見て、気になったから買ったのかもね。
……
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とかなんとか散々考察してみたけど、実はその当時の、っぽいレシートもあったのです。
2021年7月25日12:50分に購入されている??
しかも、新品価格だ。
えーーワケわかんねーー俺は雨穴とか栗原とかじゃないから別にこれ以上推理っぽいことする気もねーーーー
とにかく、3年くらい前に京都で買われた本が、どうこうあって、大阪の田村書店に流れ着いたんだ。なんかエモい。それでいいじゃないか。
……
でもレシートから読み取れることもある。
例えば、この前購入者さんは、572円の会計に602円出して、一の桁のお釣りを発生させないようにしている。律儀ね〜〜
他にも、この人は日曜日の12:50に購入してるんですね。日曜の昼に購入か〜〜
昼を外で食べてからそのまま本屋に行ったんかな。どうもこの本屋、イオンモールの中にあるみたいだし。イオン内のなんか食べて、そのまま本屋に直行。か?……でも昼のイオンの飯屋って混むからな。もしかすると、本を買ってから、ピークを過ぎた飯屋に行ってゆっくり昼飯……かも。最高の休日じゃあないっすか。
まあ本読みながら食事なんて器用なマネ、私はできませんが。
サイゼのハンバーグ汁で高尚そうな小説のページを汚していけ。
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そんな本を、私は、2024年の4月の2日(火)の午後3時の36分に買った。
PayPayで払ってるっス。計算が楽っス。でもこういうのの積み重なりで細やかな計算能力が徐々に失われてゆき脳がどんどんバカになるっス!
これ、いつだっけ。4月2日……確か、進級に伴う大学のオリエンテーションだったかな。
オリエンテーションつまらんかったな〜〜!!!!!
春休みの途中に侵食してくんなクソ〜〜〜〜〜!!!!!!!!
ともかく、こんな感じで、古本の前購入者に思いを馳せるのも楽しいかもしれない。
私も、この本読み終わったら、レシートの裏に鉛筆でツイッターアカウントとか載せてから売って、それを次に購入した人と、このことをきっかけに知り合ってみても面白いかもしれない。
できれば女子中学生あたりと。
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