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わたしは誰かにものを投げる。わたしにとっても誰かにとっても、そしてものにとっても、放り投げることは賭けだ。わたしから離れたものは、しばしの間、重力に委ねられ、放物線を描く。線は、うまく誰かに向かっているだろうか。向かっていたとして、誰かはものを、うまくキャッチしてくれるだろうか。もし、ものがキャッチされなかったとして、地面に落ちたそのものは、壊れずに済むだろうか。どこかに転がり落ちて二度と手元に戻らなくなりはしないだろうか。 こうしたいくつもの懸念を、わたしは、ものとと