シーパラダイス1
百合子はたしかに酔っ払っていたと思う。
一見大人しい百合子の
黒のストンとした形のワンピースは
体の脇のスリットが
スナップボタンになっていて
最初は何も開いていなかったのだが
気がついたら3つ
開いている
百合子は可愛い
でもバカみたいにお酒が強い
ちょっとだけおっぱいが大きくて
僕はそれを知っていて
だからいつも
騎乗位にして
百合子をじっくり眺めている
クラブに行かない?
珍しく繁華街に出ていた僕らは
その足で百合子の行きつけだという
クラブ シーパラダイス に
来たのだった
楽しいでしょ?
百合子が言った
暗い店内の中には
至る所に水槽があって
熱帯魚や金魚
そして時々爬虫類が
飼育されていた
クラブミュージックがかかる
魚たちのためにか重低音は控えめだった
僕は百合子を抱き寄せる
百合子のスリットは
もう5つ目まで開いている
「今日はシないの?」
僕は周りに聞かれないように
こっそりと聞いてみる
百合子はジントニックを口に含んだ
そしてそのまま僕に
キスをした
「踊りつかれたら考える」
僕は百合子のジントニックを
ゆっくり飲みながら
その言葉を反芻した
百合子はぐわんぐわんと
体をくねらせる
その時初めて百合子が
編みタイツを履いていたと
知った
百合子はそこの主だった
百合子はそこのDJともVJとも知り合いで
にこやかに談笑しながら
ブースに出入りしている
僕は熱帯魚を眺めるふりをして
その様子を水槽越しに
覗いてる
スリットはもはや
全開だった
クラブのど真ん中に置かれた
ソファに
足を組んで
座っている
足の全てをさらけ出して
どこからともなく回ってきた
瓶ビールを
スーッと飲んで
笑っていた
僕らは24時きっかりに
外に出て
思いっきり息を吸った
百合子はご機嫌で
キスをいっぱいしながら
コンビニで水と
コンドームを買うだろう
百合子は汗でべっとりとしていた
でもぐいんぐいんと
気持ちよさそうに
腰を動かしている
感じるたびに
君の中が動くのが
なんだかとってもいじらしい
疲れて寝ている
百合子を見ながら思う。
僕は初めて知ってしまった
踊ってる百合子の顔は
イッてるときと変わらない事
あの夜僕は
熱帯魚を見るふりをして
百合子をじっと眺めていた
僕はとってもきれいだと
きれいだと
思ったんだ