アレルギーと紅色
星が一つと、月が一つ
カーテンがキスをした
愛は卑怯
うねった髪の毛
むやみやたらに振りまく香水
君の生存確認
”私のために”は思い込み
不必要な段差
埃をかぶった黄色いアヒル
剥がれかけの赤いマニキュア
電池のないリモコン
煙草の煙が気持ち悪い
夜中に食べるコロッケ
寝室で歌うラヴ・イズ・オーヴァー
浮かぶ、ぽよぽよ
愛していない、愛ではない
除光液を飲み込みたい
些細なことで良かったのに
光に疲れた
三つ以上は消えてしまう
あなたの声だけが思い出せない
同じ濃度の夜を抱えていますように
写真の中の私は、記憶より随分幼かった
回顧録
元の形には戻らなくても、無かったことにはできる