甘えるな 誤認で奪える 命なし
先月28日、千葉県八街市で悲劇は起こりました。
路上で下校途中の小学生5名が車に跳ねられ、うち2名が亡くなるという死傷事故です。
トラック運転手による飲酒運転が原因とされています。
トラックは近くの新築現場へ資材を運び終え、帰社する途中だったとのことです。
この事故を耳にしたとき、とても考えさせられるものがありました。
来年小学生になる娘を持つ父としての痛ましい気持ちと同時に、同業者として他人ごとに思えませんでした。
どうしてこのような事故が起きてしまうのか。
今回は同業者としての視点でも、少しお話させていただきます。
本記事はこのような方に特に読んでいただきたいです
■趣味や通勤で運転をされる方
■大型車を運転する仕事をされている方
それでは、結論からまいりましょう。
【結論】甘えた感情は事故のもと
運転をするにあたって操作に
最も影響を与えているのは、感情。
何も考えずに、感情のまま運転しているがゆえに
交通事故を起こしてしまうのです。
・疲れたから、運転中にお酒を一杯 ➡ 飲酒運転
・眠たいけどウトウトしながら運転 ➡ 居眠り運転
・時間に余裕がないから急ぎたい ➡ スピード超過
・誰もいないし見ていないから ➡ 信号無視
大抵このような感情により違反をしてしまうものではないでしょうか。
そして今回の事故のようなことが起きてしまうのです。
「前も大丈夫だったから今回も大丈夫」
これは明らかな誤認ですよね。
誰でも理解できるはず。
事故が起こる可能性は非常に高いのです。
人を傷つけなかったことは運がよかっただけ。
もし、そのような誤認によって誰かの命を奪ってしまったとき、ご遺族の方に「疲れてて一杯だけ飲んでました」と堂々と言えますか?
自らの感情への甘えが事故のもとなのです。
大型車の危険性
わたしは、建設現場にてクレーンオペレーター(運転・操縦士)として活動しております。
普段運転しているクレーン車は全長10m以上もあります。
身近なもので例えるならば、電柱と大体同じ長さと思っていただければイメージがしやすいのではないでしょうか。
そんな車両を都会から田舎道、狭い住宅街まで、さまざまな場所を通ります。
見通しの悪い場所での走行は非常に恐ろしく思います。
常に子どもやご老人が側方から現れることを想定して運転しなければなりません。
でなければ本当にそんな場面に遭遇した場合、間に合わなく死傷させてしまう可能性が非常に高いからです。
そういう認識をもって走行していれば、今回の飲酒運転など有り得ないです。
自ら事故確立をわざわざあげる必要性がどこにあるのでしょうか。
冷静に判断することができれば、当たり前にわかりますよね。
無知が事故のトリガー
日々、現場にてクレーンによる揚重作業を行っています。
当然ながら、わたしたちオペレーターは乗っている機械の性能を熟知しています。
可能な仕事の判断材料だけでなく、どの程度の作業が危険要因が発生するか把握しておくことが前提にあるからです。
しかし、クレーンを手配していただいた現場の監督さんの中には全く性能を理解していない方も少なくありません。
「このくらいの重量の荷物をあの遠くの場所まで運んでほしい」というように作業内容を説明いただくのですが、明らかに性能オーバーしていることを言われるときがあります。
当然、この機械ではできないことを説明するとこんな言葉をいただくこともあります。
「せっかく高いお金を払って手配したのだから、どうにかして」
どうしたらこのようなセリフを口にできるのか理解に苦しみますが、そんなときは必ずこう言います。
「その作業を行った場合、クレーンが転倒する可能性が非常に高いです。もし転倒した際には必ずと言っていいほど死傷者が出ます。あなたがどう責任がとれるのか説明してください」
そう告げると、確実に諦めます。
当然ですよね、責任をとれるわけがないのですから。
ここで絶対にしてはいけないことは、
「少し無理してでもやってみます。」という
相手の顔色や関係性を保つがため、いい人だと思われたいという感情に負けて危険な方へ行動を判断してしまうことです。
一度やってしまったら、もう事故を起こす日が待っています。
「前回大丈夫だったから、今回もきっと大丈夫。」
そして後悔するのです。
その話、どこに価値があるんですか
わたしの年齢で現場で働いていると、こんな話を耳にすることがあります。
「昔は酒飲んで仕事していたよ」
「飲みながら帰るのが当たり前だったよね」
そういう自慢話をしてくる方は、想像以上に多いものです。
聞かされていて毎回思うのですが、
この話にはなんの価値があるのだろうか。
ただの過去の犯罪告白に過ぎないんですよね。
そういう方は、このような事故を見てどう思うのでしょう。
まさか「飲んでも事故起こすなよ」なんてセリフ言えませんよね。
【まとめ】明日は我が身
感情をコントロールできずに運転を行うと、必ずいつか事故を起こします。
今まで事故を起こさなかったのは、ただ運がよかったにすぎません。
心理学の研究結果(東北大学交通事故研究グループ)によると事故を起こす人の特徴を以下のとおりと証言されています。
①軽はずみで行動を早める人
②たぶん大丈夫だろうで行動する人
③カッと怒りっぽい人
④自分本位であり協調性がない人
つまりは、感情をコントロールできていない人と言えますよね。
そこで大切なポイントは、なにごとも
「余裕をもつこと」です。
急がなければいけないときは、
早めに行動して余裕をもちましょうよ。
危険作業を強いられたら、
心に余裕を持って冷静に断りましょうよ。
疲れたり眠い場合は余裕を持って、
仮眠してから運転再開しましょうよ。
もし、余裕を作り出すことで
誰かに怒られたりするとします。
例えば、運送業でよくある
「仮眠する時間があったら早く戻ってこい。」
など言われるとしましょう。
そんなとき、自分を責める必要は全くありません。
時間通りに戻ることと、事故を起こすこと、天秤にかける必要もありませんよね。
人を傷つけたら残るのは後悔だけです。
それでも、誰かに言われたことや自らの感情に負けてしまいますか?
「甘えるな 誤認で奪える 命なし」
今後、このような事故がひとつでも減るように
あなたもこの言葉を心がけていただけませんか。
わたしたちが唯一できる亡くなられた方への労いです。
この記事がより多くの方に読まれることを心から願っております。
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