プーシキン美術館展@東京都美術館
久しぶりにゆっくり展覧会に行けました!都美にて「プーシキン美術館展 旅するフランス風景画」。半休をとって平日に行ってみたけれど、今週いっぱいで終了だからか、けっこう混みあっていたよ。
旅するフランス風景画、というサブタイトルのとおり、本当に郊外〜都市部のフランス、そして最後は南国へをも旅した気分になれる展覧会!絵を窓にして異国を覗いている錯覚に陥ることができる。
クロードロランの絵の前では時間を忘れてしまった。今回の展示ではエウロペの掠奪っていう作品がありギリシャ神話のお話をモチーフにした絵なんだけれど、海や空、木々の風景が本当に綺麗で、人や牛たちも生き生きとしていた。海には船が浮かんでいて、画面の端々にも小さく可愛いお花がたくさん咲いていて...本当にうっとりしてしまう。
モネの絵も4点あってとっても贅沢でした。陽だまりのライラック、ジヴェルニーの庭に浮かぶ睡蓮、積み藁。ライラックの木の下、ドレスの少女が葉洩れ日できらきらしていて見惚れた。藁が美しいパステル調の色で表現されているのにも心奪われた。
そして、モネにもマネにも草上の昼食っていうタイトルの絵があるのね。マネのほうしかいままで知らなかった〜。この絵描いた時、モネは26歳だったそう。いまの私と同い年だ…!
アルマンギヨマンの絵も風景に明るい色を沢山使っていて美しかった!それが、カラフルすぎて偽物の風景に見えない絶妙なバランスに仕上げられていて。アルマンギヨマン、50歳で宝くじで大金を当てて、仕事を辞めて画家に専念できるようになったらしい。夢がある話だ...(うらやましい)。
あと知らない画家だったんだけど、エドゥアールレオンコルテスの描く夜のパリが、なんだかクリスマスの日のようなワクワク感とパリの日常にあるキラキラ感、そして夜の物寂しさを混ぜ合わせたような、なんだかとても胸を打つ風景で素晴らしかった。ポストカード売ってなかった、残念。
ジョルジュレオンデュフレノワの描くパリの広場も。104×80の大きなサイズの絵で吸い込まれて、そのままパリの広場へワープしてしまいそうだった。白を基調とした風景画の中に鉄道の煙がもくもくと大きく描かれていて、リアルにパリを想像できて楽しかったー!
そして一番見たかったのはルソー!!馬を襲うジャガー。
これ冷静に考えるとかなり大変なグロい場面なはずなんだけれど、馬の目がつぶらで可愛いのもあって、まるで踊ってるかのようなにぎやかな楽しい絵に見えちゃうんだよね。ルソー、こんな明るさのある溌剌とした自然、動物が描けるのにいったことがあるのは近くの植物園くらいだったらしいよ。だから逆にこんなに素晴らしい絵が描けたのかなぁ。イマジネーションに感服しかない!
そうそう、カミーユピサロの絵のキャプション内には「ほかの誰もが何も無いとみなすような辺鄙な地に、美を見出しうる人はなんと幸福であることか」というピサロ自身のことばが引用で書いてあって、本当にその通りだなと思った。幸福って結局そういうことで、今ある幸せ、それに気づける心が自分にあるかどうかなんだよね。仕事で忙殺されてて余裕がなくなってしまうことがあるけど、うまく深呼吸して幸せを見失わないように生きていきたいなぁと思った。久しぶりの展覧会、しあわせでした!