TETSUSON@3331ChiyodaArts
こちらも西村雄輔氏の個展へ行った日、ノーチェックのままふらりと観たのですがすごく良かったので、備忘録。TETSUSONってなんだ?というと「分野・大学・国などのあらゆる枠を超えて集った卒業制作の展示を行う、卒業制作合同展」とのことで、ジャンルレスな学生さんの卒業制作展示の場ということみたい。卒展→SOTSUTEN→TETSUSONという言葉遊びでいいんだと思われる。
こちら、ウェディングドレス。離婚届でできているという皮肉の効いた作品。先週会社の子の結婚式に出たばかりだったので、これその子に写メって送ったら縁切られるのかな〜とか(しないけど!)ちょっと想像してしまった。
偶然にもこの作品も「縁」というタイトルが付けられていたよ。痛快で、ユーモアがあって小気味良いので、好きな作品である。紙でドレスを作るアーティストといえば、コイケジュンコさんを思い出させるね。
これは「せんのあかんぼう」という作品。なんだろう?と近づいてみると、いろんな道具・ものを使って一枚一枚違ったあかんぼうを描いている。玉ねぎ(一枚)で描いたあかんぼう、食パンの耳で描いたあかんぼう、歯ブラシケースで描いたあかんぼう、引き換え金受領書で描いたあかんぼう、ピコピコハンマー(ポンプ部分)で描いたあかんぼうなどなど…あかんぼうの顔もそれぞれ全然違っていて、可愛いものから、もはや顔の形をなしていないのでは、ってものもあって見ていて楽しくニヤニヤしちゃう。
使われた道具・ものも様々すぎてそれをチェックするのも面白い。1000枚のあかんぼう描いたのも素直にスゴイと思う!
毎日その日の日記を書き、そこに合う絵を一枚書く、という取り組みをされた作家さんもおり、その作品も日記と併せ展示されていた。それぞれの絵が日記のNoに対応しているので、日記と絵を交互に見る感じ。絵のさりげないデザイン性が高くて視覚的に楽しいのはもちろん、人の日記を見ることもそうないので、最近の大学生ってこんな風に毎日過ごしてこんなことを感じているのか〜っていう若い感覚も知れて結構興味深かった。日記に書く感情の感覚が、美大生(推測だけれど)だからセンスがあるのかこの作家さんが感受性が高いのか判らないけれど、鋭くかつ文学的で好きでした。
一番好きだったのは、生メガネという作品。メガネは一つの人間の感覚器である、という考えから、人間とメガネの究極の生々しい関係を目指した作品のよう。
これ、サクマドロップスをいろんな人に4分舐めてもらい、その4分後の溶けている飴の形をメガネのレンズの形状にしたんだって。一番左のメガネが元のサクマドロップスの飴の形でレンズを作ったメガネ。その横に5つ並んでいるメガネがそれぞれの人が途中まで舐めた飴の形に合わせてレンズを作ったメガネ。だからよく見ると、すこしずつ形が違うの。人が舐めた飴の形に合わせてレンズの形を作って、メガネにしちゃう…。この発想、多分常人じゃ思いつかない。最高にクレイジーで変態的で天才だと思う。(すごく褒めている)
他にも興味をそそられる作品は多くて、学生作家さんたちがこんなにユニークで柔軟な作品を作れる日本のアート界、まだまだ捨てたもんじゃない&とっても頼もしいなぁと思いました。もっとワクワクさせてもらえる未来が来るんだろうなと楽しみです!
それにしても3331ChiyodaArts、無料で楽しい展示がゴロゴロやっているのですごいぞ。おヒマな時に是非ふらりと足を運んでみてくださいませ。私も足繁く通ってみようっと!