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岡本太郎とメディアアート展@川崎市岡本太郎美術館

「岡本太郎とメディアアート展 山口勝弘ー受け継がれるもの」を見てきました!会期終了1日前にまたもや駆け込みです。行きたいと思いつつ、少し都心からは遠いため、なかなかタイミングを見つけることが出来ずだったのですが、行って大正解でした!

川崎市岡本太郎美術館に行くのは今回が初めて。小田急線の向ヶ丘遊園駅から徒歩で20分ほど、生田緑地を通り、てくてくと。生田緑地にはちょうど月曜に降った雪が残っていて綺麗でした。うさぎさん雪だるまを見つけて、嬉しいサプライズ。

道なりに進んでいくと美術館。屋外から、今回のメディアアート展の作品がお出迎えしてくれてテンションがあがります。キネティックアートの牽引者と呼ばれる高橋士郎さんの岡本太郎に捧ぐ作品です。キネティック(動的な)アートだから動くよ。

「んぱっ!」

このキャラクターはパイラ人といって岡本太郎デザインの宇宙人。

そして企画展示室にいざ入場すると、山口勝弘先生のビデオ彫刻作品とご対面。山口先生は1950年代の「実験工房」という総合芸術グループでの活動でも有名。作品を見るのは初めてだったのですが、これ、表現しているものが何なのか、どうなってるのか解らなくても、理屈抜きで視覚的にカッコ良すぎない…!?

映像がテレビモニターの幾つかに映し出されていて、その上には鏡張りの逆三角の物体がぶら下がっているの。周りには黒の膜のような謎の物体。三角の先端の矛先のモニターには女性の身体の映像も映し出されて、ゾクゾクする。わけわからんけど、しょっぱなからハートをぶち抜かれてしまった!たまらん。Perfumeとか岡村ちゃんとか、こんなセットでPV撮ってそうだよね。ってくらい今っぽさあるのに、1996年の作品ですって。22年前に制作されたとか信じられる?これは、96年に岡本太郎が亡くなった際に岡本作品のオマージュとして制作されたものなんだって。

このモチーフとなった岡本作品も隣に並んでいて、それがこの「夜」という作品。描かれている女性が持っているナイフのイメージが、上記彫刻の逆三角の物体になっているらしい。この色使い、良いなぁ。この女性はドクロのいる夜の闇に何を思っているのだろう。立ち向かって行こうとしているのかな。背中に隠したナイフには何か後ろめたさがあるのかな。それでも、背筋を張って、真っ直ぐに、目を反らすことなくドクロを見据えた女性の姿はとても凛々しく見えるね。

そして、ででん!

こちらは幸村真佐男さんの作品。分厚い辞典やらが並ぶ本棚。手に取って読んでOKとのことでずっしり重い「非語辞典」とやらを手に取ってみると…

非語ってこういうことか!!こんな重厚で玄妙な見た目しておいて、載っているのは「イニアピャ イニアヒュ イニアビュ イニアピュ…(以下略)」て。ツンデレの走りかな?これを辞典にしちゃう発想とか、大好きと言わざるを得ないよ!

こちらは森脇裕之さんの作品「レイヨ=グラフィー」。ちなみに1990年の作品。

自分の影に反応して、赤い光が点滅します。フライヤーを掲げた私です。自分がアートになれる作品って本当楽しいんだよなぁ〜。

そうそう、冒頭で紹介した高橋士郎さんのキネティックアート作品はこういうのもあります。口の部分が喋っているみたいに動くのだよ。

「んぱっ!」(二度目)

田中敬一さんによる空間インスタレーションもあります!青色や緑色が揺らめいて、オーロラを見ているかのよう。

ちなみに今回のすべての展示を見ている間、クリストフ・シャルルによってこの美術館のために作曲されたBGMが流れているのだけれど、これまたこのインスタレーションにマッチしていてね、すごく贅沢な空間だったんだ〜。美しい風景・美しい音楽、これ以上に最高なことがあろうか。

そして、「めちゃくちゃ好き!」って思った作品がまだあって、それが岩井俊雄さんによる「時間層II」。

人型の立体がいくつも回転し、点滅した照明をあてることにより、人が動いているように見える3Dアニメーションです。照明の色も回転の速さも変わるので、見ていて楽しくて、飽きないの。調べたところ、こういうのを「立体ゾートロープ」というんだって。ひとつまた勉強になりました!

明和電機の空間インスタレーションも。太郎さんが明和電機のジャンパー着てる!青いジャンパーに情熱込めて〜♩

明和電機は「オタマトーン」っていう音符の形のオリジナル楽器や「魚コードUSB」を市販していることで有名なのだけど、それらが太郎さんのグッズやらと一緒に可愛らしく並べられていて、凄まじい多幸感を感じた。単純にオタマトーンめちゃくちゃ可愛いよね!このナンセンス感、土佐社長のルックス含め、サブカル女子大好物である。

それでもって、みんな大好きプロジェクションマッピング作品まであるの。箱根彫刻の森美術館にある、太郎さんの白い彫刻作品「樹人」がプロジェクトマッピングによって、様々な色や模様を帯びて、新しい命を吹き込まれていた。

他にもVR作品もあったし(今時!)、すべて写真撮影OKだしで、極上のエンターテイメント空間!「岡本太郎あんまり知らないよ?」「メディアアート?なにそれ?」って人も絶対に楽しめると自信を持ってお勧めできる展覧会でした。とにかく私は感動しどおしで、自分の一番好きなアートの分野は現代アートだなということも改めて実感。残念ながら参加できなかったけれど、今回の展覧会に関連したイベントも様々行われていたようで(明和電機のワークショップ参加したかった〜!)、岡本太郎美術館は、岡本太郎のみならずアートへの楽しい入り口としても機能してくれる素晴らしい美術館だなと感服した次第であります。次の企画展も楽しみ!
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