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kaeneというブランドの由来
前述したように、会社再生のためブランドを立ち上げる事になった私は、とにかく何を作ったらよいかがさっぱり分からなかったので、シンプルに世間は何を求めているのかのリサーチをすることにしました。(2008年頃)
誰に聞けば良いかすら分かっていなかったので、とりあえず天神(福岡の中心地)にあるセレクトショップと言われているお店に訪問しまくり「今何が欲しいですか?お客様には何が欲しいと言われますか?」とスタッフさん達に聞きまわりました。当時のソラリアやIMS等の駅ビルや、地下街に入ってるセレクトショップ殆どに聞いて回ったので、少なく見積もっても100件以上は質問して回りました。
当時それで一番耳にした言葉が
「デイリーでも使えるオケージョンのワンピース」
デイリーって?ヤマザキ?
オケージョンって何?OK Jon??
米国に1年おったくせに、日常(普段)使いをデイリーと言うのも、オケージョンが特別なシーンを指すというのも分かってなかった私は最初全てにおいて?でしたが、追って調べてみるとどうやら
((結婚式のゲストドレスに使えるくらいの品は保ちつつ、日常でも着用出来る華やか過ぎないワンピース))
いや、何それ??そんなん知らんがな。
当時は正直そう思いましたが、とにかく今一番求められているだろうモノは確定したので、まだ想像もつかないそれを作ることに決めました。(単純)
当然ながら私は、結婚式のゲストドレスの状況が全く分かってなかったので、次にそれのリサーチを始めることにしました。
招待してもらった友人の結婚式では、祝うことを二の次に(失礼だが事実)ひたすら女性ゲストのドレスチェックをし、でもそんなに都合よく友人の結婚式は無かったので、土日になるとスーツを着て大きな結婚式場に行き、知らない人の結婚式の招待客に紛れて(※)式が始まるまでずっとドレスチェックをしていました。
※大きな結婚式場になると数組の結婚式が並行していて、ゲストたちが同じフロアで待機するという、紛れるにはもってこいの環境が整っております
当時自分でも感じてましたが、そこにいる全ての女性のドレスを真剣な眼差しで見回っていたので、お祝儀泥棒を超える圧倒的な怪しさを放っていたと思います。
ある時、ふとそこにいる女性ゲスト達を俯瞰して見ると、当たり前だけど大変重要なことに気付きました。それは何かと言うとみんな「幸せそう」だということです。
その理由は多分たくさんあって、昔からの友達の結婚を祝える喜びや、久しぶりの友人に会う嬉しさ、そしてこの日のために準備して着飾った非日常的な自分への高揚等。
私の妄想は膨らみいつの間にか、様々な色のドレスを着用して幸せそうな表情を浮かべている女性たちを、美しく咲いた花々のように見立てていました。それと同時に、小さい頃私が大好きだった福岡にある香椎花園(かしいかえん)という花に囲まれた小さな遊園地が頭に浮かび、女性たちのワクワクと幼少期の私のワクワクが一気にリンクして、kaene(花園)というブランド名が思いつきました。
世間にはカッコ良くてストーリー性のあるブランド名が数多くある中、成人男性の気持ち悪めの妄想の延長と幼少期の個人的な思い出からブランド名を決めた、という事実を打ち明けるのは果たしてどうなのかとも思いましたが、事実は変えれないので正直に記載させていただきました。どうか引かないでいただきたいと願うばかりです。
次回は、ブランド立ち上げ時の苦悩と、お金が無いとどうなるかを記載したいと思います。